桑原政則の寄稿、論文のページ

目次 (上ほど新しいです。)

  1. 認証:特定非営利活動法人川越奥武蔵観光情報学研究会、埼玉県上田清司知事より認証さる。2008年6月4日
  2. 発表:第5回観光情報学会全国大会in旭川。2008年5月28日。川奥観研(川越奥武蔵観光情報学研究会)より4名が発表
    桑原政則「埼玉県ときがわ町観光の可能性」
    石井昭三「川越ブランド「骨酒(こつざけ)パック」について
    木所勝邦「川越市のホテルの観光戦略」
    枇杷木賢生「持続可能な観光政策」
  3. 助成費:平成20年度特別研究助成費(科学研究費申請研究奨励費)。2008年5月
  4. 講演:『地域の活性化と観光』入間市産業文化会館。埼玉中小企業家同友会、2008年5月24日
  5. 申請、内閣府:奥武蔵ときがわ山里元気再生プロジェクト
  6. 申請、NPO:川越奥武蔵観光情報学研究会。2008年4月1日
  7. 編集後記:「もっと貧しく、もっとゆっくり、そしてもっともっと心豊かに
  8. 公認:川越奥武蔵観光情報学研究会、関東圏で初の観光情報学会公認の研究会に。2008年1月
  9. 論文:「ウェブサイトのアクセシビリティ 小江戸川越観光協会のサイトを中心に」『東京国際大学人間社会学部論叢』第13号、2007年、pp.35-55
  10. 論文:「川越観光の可能性」『東京国際大学人間社会学部論叢』第13号、2007年、pp.57-76
  11. スピーチ【ppt】12枚「チェンライの旅」2008年2月27日、川越初雁ライオンズクラブ、川越プリンスホテル
  12. セミナー【ppt】16枚「川越観光をどうする?」2008年1月7日、川越中央ライオンズクラブ、川越氷川会館
  13. スピーチ【ppt】12枚「世の中、なぜ生きるのが難しい?どうしたらいい?」2007年10月19日
  14. セミナー【ppt】64枚「小江戸川越観光協会の HPの改善につい」小江戸川越観光協会。2007年10月11日
  15. セミナー【ppt】19枚「川越のマチナカの変遷と展望」初雁経済研究会。美鈴。2007年9月29日
  16. セミナー【ppt】15枚「三光グループの集客率、大幅アップをめざして」川越市湯遊ランド・ホテル三光。2007年9月5日
  17. 立ち上げ:川越奥武蔵観光情報学研究会
  18. スピーチ(祝辞):「大槻ヨーガスタジオオープンパーティ」東京都西多摩郡瑞穂町民会館(2007年8月29日)
  19. 学会発表:「観光関係サイトのSEO対策について:ウェブでのおもてなしの問題点」観光情報学会。新潟県湯沢町いなもと。(2007年6月20日)
  20. セミナー:「観光、ホテル、旅館のWebサイトの現状と改善についてハーモニー・アイ 。東京神田ちよだプラットフォームスクエア。 (2007年4月10日)
    コメント1:後悔しましたが、公開はしません!
    コメント2:「…。関係者や専門家が見れば、意外と先生のまとめられた資料はビジネスにも直結して非常に価値があることが分かるようですね。…。桑原先生のようなアカデミックなアプローチで地道に追加修正していけば、ますます、内容も充実し、参照される方は増える のではないかと思います。」
  21. コラム:タイ風ラーメンのバミー 『Jinsha Magazine』(2007年3月)
  22. 編集後記:企業は経営の透明性を
  23. 論文:【pdf】「ウェブ標準(XHTMLとCSS)の現状と展開 その1」 「その2」『東京国際大学人間社会学部論叢』第12号、2006年、pp.57-77
  24. 発表:【slidy】「自治体ウェブの現状とあり方:川越市を中心として」2006年11月15日、川越市新しい働き方研究会
  25. ホームページの使いやすさ(ウェブ アクセシビリティ) チェック100項目(2006年6月)
  26. 学会発表:「埼玉県川越市都市圏7市町村のウェブアクセシビリティについて: 観光振興のために」2006年6月、観光情報学会、函館
  27. 論文:【PDF、600キロ】ウェブアクセシビリティについて:ウェブに関するJIS規格を発展的に考える その1   【PDF、300キロ】その2 。『東京国際大学人間社会学部論叢』第11号、2005年、pp.31-53
  28. 発表: 【DOC】インターネット活用研究会の設立を:市民参加型の環境づくりの一環として  川越シティカレッジ(2006年3月18日) [別ウインドウへ]
  29. 編集後記:「市場原理主義社会からシットリ社会へ
  30. 論文: 「ウェブアクセシビリティについて:ウェブに関するJIS規格を発展的に考える」:『東京国際大学人間社会学部論叢』(2005年)
  31. 新聞論壇: 「観光振興は良いHPから:障害者の雇用促進にも」 :『琉球新報』(2006年1月12日)
  32. 新聞論壇: 「特殊読みは小中学生に有害:方言漢字は「美ら島」で打ち止めに」 :『琉球新報』(2005年11月16日)
  33. シンポジウム: 「ウェブ アクセシビリティ導入のポイント」(2005年11月25日)
  34. 映評: 映画:「十二人の怒れる男たち」『Jinsha Magazine』(2006年4月)
  35. インタビュー: 「ウェブアクセシビリティ実例見聞録」のインタビュー(2005年8月)
  36. あいさつ: ハーモニーのMLでのあいさつ(2005年7月)
  37. あいさつ: 視覚障害者と共に歩む会ハーモニーの定例総会でのあいさつ(2005年7月)
  38. 新聞論壇: 「障害者に優しいHP作成:観光振興のためにも配慮を」:『琉球新報』(2005年5月31日)
  39. 論文:【PDF】「沖縄県全52市町村のホームページを評価する 沖縄観光振興のために」52ページ、400キロ。『南島文化』沖縄国際大学南島文化研究所、第27号、2005年、pp.55-107
  40. エッセイ: 「わたしのお気に入りの場所:黒山三滝」『Jinsha Magazine』(2005年4月)
  41. エッセイ: 世界は偉大な図書館『Jinsha Magazine』(2005年4月)
  42. 推薦文: 「ジャパンナレッジは快適なタイム・セーバー」『Japan Knowledge』(2005年4月)
  43. 学会発表: 「自発学習促進のためのオンライン教育」  『大学情報化全国大会』 
  44. 画評:シャガール『真夏の夜の夢』『Jinsha Magazine』(2004年4月)
  45. 映評:インド映画「Refugee(逃亡者)」 『Jinsha Magazine』(2001年4月)
  46. 論文: 【PDF】The Degree of Interest in Countries Shown in the 14 Languages
    in Yahoo!Sites
     世界のYahoo!サイト14カ国語に関する桑原政則の英語論文で、400キロあり重いです。2003年
  47. コラム: 「私の記憶に残る音楽:安里屋ユンタ 」『Jinsha Magazine』(2003年4月)
  48. 結婚披露宴のスピーチ  2003年4月26日  2004年4月18日
  49. 「沖縄の情報通信の展開」『基地の返還、・移設、跡地利用と沖縄振興問題 その2』東京国際大学人間社会学部社会学研究室、2002年、pp.111-153
  50. 「沖縄の情報通信関係史年表」『基地の返還、・移設、跡地利用と沖縄振興問題 その1』東京国際大学人間社会学部社会学研究室、2001年、pp.208-237
  51. 「沖縄の情報通信関係文献目録」『基地の返還、・移設、跡地利用と沖縄振興問題 その1』東京国際大学人間社会学部社会学研究室、2001年、pp.238-242
  52. 「沖縄の情報通信関係ウェブサイト目録」『基地の返還、・移設、跡地利用と沖縄振興問題その1』東京国際大学人間社会学部社会学研究室、2001年、pp.243-260
  53. 書評:立花隆『脳を鍛える』『Jinsha Magazine』(2001年4月)
  54. 書評:動物農場 (これから)
  55. PTA:あいさつ (これから)

 

 

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書評:立花隆『脳を鍛える』

(『Jinsha Magazine』2001年4月)

この本は、知学のサイト集のようなものです。学生諸君の参考になるようなところを抜 粋、アレンジしておおくりします。

本はとばし読みで

本というものは、一読して全部を理解する必要はない。料理と同じで、移り箸で味見して、本当にうまいものを食べればよい。
桑原コメント):
この本も、読みとばして興味のある箇所を再読すればよいでしょう。

恋愛は破綻するもの

20歳前後の恋愛は、破綻することが多い。それを予防はできず、対策を練ることもできない。いちばん役に立つのは、いい恋愛小説をいくつか読んでおくことである。恋愛にはいろんなケース、プロセスがあることがわかり、人の心の複雑さがわかる。
桑原コメント):
ひとは手痛い体験を何度かして人生が少しずつわかってくるものです。「青春の失敗は、人生の栄養」です。 (^_-)

大学はなにをするところ?

大学は自分で学ぶところである。自分で自分を教育していく自己教育の場である。
桑原コメント):
そのためには、知的錬磨計画を練り、常に軌道を修正する作業が必要です。

必要な一般教養教育

バランスがとれた知性をもち、健全な判断力を持った本当の教養人を育てるためには、充実した一般教養教育をほどこすことが必要である。今大学ではこれと逆行することをやっている。文系人には、少なくとも、「物質科学基礎」「生命科学基礎」を学ばせるべきである。
桑原コメント):
視野狭窄型の人間が大量生産されています。数物系の知識は自分で学ぶしかありません。本を読んで自分で勉強することの必要性がここにもあります。

インターネットが情報革命を

活版術の発明が文献の大量流布を可能にし、精神革命、思想革命、宗教革命を導き、ルネッサンスを生みだした。インターネットも革命の起爆剤になっている。
桑原コメント):
インターネットの普及は、活版印刷以上の大変革をこの世に及ぼしつつあります。この革命はまだまだ続きます。

科学の先端では大変革が進行中

科学の先端では、いま数百年に一度あるかないかというレベルの原理的大発見へ向けての挑戦が進行中で、自然の見方が根本的に変わるかもしれないところにきている。サイエンスに目を向けない文系知識人たちは、人間の知の世界の大変化にまったくついていけない。文系人のサイエンスの知識は、明治時代並である。
桑原コメント):
ドキっとするほどスゴい箇所です。実社会では、ゼネラルに科学技術がわからないと適切な判断ができません。科学の基礎は物理学であるのに、文系人の物理の知識はニュートンまでの中学生レベルにとどまっています。物理学の基礎である量子力学と相対性理論は教えてもらえません。自学自習の必要なゆえんです。

五感を刺激するような体験を

「発育途上の神経系に与えうる最高の教育は、五感を全部刺激するような教育である。たった一つか二つの感覚しか訓練しなかったような人間は、哀れむべき人間の部品にすぎぬ」(リューベン・ハレック)
桑原コメント):
今の若者は前頭葉をもっと発達させる必要があります。温室の日本に長くいると惰眠してしまいます。海外の旅は五感を刺激します。実体験に勝るものはありません。わたしはこの原稿を、世界最古1億3千年前からあるマレーシアの熱帯雨林タマン・ネガラでものしています。環境が変わると、大脳が活性化されます。

経済は下部構造ではない

あらゆるものの下部構造は、知の構造である。知の構造が変われば、経済も政治、社会、文化もかわる。
桑原コメント):
そして、いま人類史始まって以来の知のフレームワークが根源的に変化しようとしています。パラダイム・シフトです。ここもドキスゴの箇所です。

生きる上で大切なこと

人間が生きる上で一番大切なことは、生きる意志であり、生きるパワーである。生命力です。
桑原コメント):
それよりも、使命感の方が大切でしょう。使命感があれば生きる意志も自然にわいてきます。使命感をもつようにつとめてください。なければ探しだすことです。

画評:シャガール『真夏の夜の夢』

(『Jinsha Magazine』2004年4月)

2003年8月、サンフランシスコのシャガール展に行きました。会場のMOMA(モーマ)@@では、親切な工夫がなされていました。主な絵画の下には小さな番号札が貼ってありました。これはオーディオ・ツア(音声案内ツア)のためのものです。絵画番号にあわせてボタンをクリックすると、手持ちのヘッドセットに説明が流れ出します。シャガールの伝記映画も上映しており、「屋根の上のバイオリン弾き」は、彼の絵から生まれたものです、なんてことも説明していました。

わたしはシャガール展はこれで3回目です。最初は1959年で京都まで出かけました。次は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館です。

鳥獣戯画よろしく牛などが頻繁に登場するのは、おじさんが屠殺業者だったことと関係あるのでしょうか。屠殺されることをうすうす感じているような哀しそうな牛は、マルク・シャガール(Marc Chagall)の属するロシア系ユダヤ人の運命を象徴しているようでした。

映評 「Refugee(逃亡者)」に見るインド映画

『Jinsha Magazine』(2001年4月)

2000年7月「Refugee(逃亡者)」をニューデリーからクルマで5時間のところにあるピンクシティとよばれるジャイプールで見ました。映画館はインド最大の大きさでまるで宮殿のようでした。

インド映画は、古典演劇の用法を取り入れて、セリフはいつの間にか歌と踊りに変化します。「Refugee(逃亡者)」も十数曲の歌と踊りを取り込んだ砂漠での戦闘を売り物にしたミュージカル・アクション映画です。

インドでは俳優は実社会で大きな力をもっています。人々は困ったことがあると、俳優のところへよろず相談に行きます。インド映画のメッカの一つタミルナドゥ州では、1967年以来歴代の首相6人はすべて映画関係者です。2000年8月インドの大物俳優が誘拐されました。インドでは大ごとですが、事情のわからない外電はほとんどこの事件を報じませんでした。

 

自発 学習促進のためのオンライン教育

(2004年9月8日)

大学情報化全国大会

自発学習促進のためのオンライン教育 桑原政則

プログラム

 

ジャパンナレッジは快適なタイム・セーバー

(2003年4月、2005年4月)

上:ジャパンナレッジへの推薦文。2005年

「ジャパンナレッジは快適なタイム・セーバー(時間節約館)です」

  私がジャパンナレッジを使うのは、「桑原政則オンライン」( http://www.aoikuma.com/)の更新、論文の執筆、講義用ホームページ作成のためです。ジャパンナレッジ収録の辞事典は基本的な定義がしっかりなされているので、論文、講義にはうってつけです。

  論文執筆の際は、まずジャパンナレッジで基礎知識を得、意味背景を知り、全体の鳥瞰図を描き、それを元に検索エンジン、文献などを使って肉付け作業を行います。最後にまたJKを使って仕上げます。

ジャパンナレッジの特徴は以下です。
  • 「専門外の知識を最小の手間で手に入れることができる。
  • 串刺し検索が可能である。
  • 記事が客観的で、玉と石を分け、細かい事実確認をしている。

ジャパンナレッジは私にとって“空中図書館”です。今の時代、求められているのは、知識を溜め込むことではなく、必要な知識をすばやく検索する ワザです。

  「検索速度」とは、的確な知識、情報を得るまでの時間のことです。 ジャパンナレッジは快適なタイム・セーバー(時間節約館)です。 ◇ 2005年6月 記

下:ジャパンナレッジへの推薦文。2003年


ジャパンナレッジ

『日本大百科全書』(小学館)、『ランダムハウス英和大辞典』、『デジタル大辞泉』、『現代用語の基礎知識』、『東洋文庫』など

世界は偉大な図書館

(『Jinsha Magazine』2005年4月 )

世界は偉大な図書館です。世界各地をブラウズ(ぶらぶら歩き)すると、思わぬ発見、体験、出会い、感動が待っています。若いとき旅をしておくと、年をとってからの物語が豊かになります。ブラウズした箇所をご紹介します。

世界史を書き換えるか与那国島の海底遺跡…沖縄県

沖縄県の与那国島は、日本最西端にあり、台湾までわずか110キロの所にあります。ダイバーは黒潮が一番初めに当たる透明度世界一のこの島に、ハンマーヘッドシャーク(サメの一種)に会いに出かけます。

与那国には、海底遺跡もあります。1万年以上前の文明の遺構だとする説もあり、ピラミッドでも5000年前の産物ですから、となると人類史を根底から書き換えることが必要になります。

テラス、階段、アーチ、排水溝もあり、何回もぐっても、人間が手を加えたものだと思われます。人工物ではなく、自然物だとすると、自然はここまで精巧に人間と同じものをつくるのかと、私にとってはその方がかえってオドロキです。

日本語の上手な少数民族…台湾

台湾の南東に蘭嶼島(らんしょとう)を歩いていました。海岸沿いに家が入るような深く広い洞穴があり、人が集まっていました。ヤミ人がキリスト教の集会を開いているところでした。ヤミ族は、漢民族に対抗するため、別のシステムであるキリスト教を採用しています。

リーダー格の人が自分の家へ招待してくれました。家は、強風をよけるため、数メートルの深さに掘った穴の中にすっぽりはまるように、建てられています。家の中は、低く貼って歩きます。

日本語が達者で日本名も書くことができます。長い間中国語が話せないので、差別され、不自由をかこっています。彼らは日本政府から日本語を教育され、今も日本大好きなのに、日本政府からはほったらかしにされています。

ベトナムで道路を横断するコツは?

ベトナムの最大都市ホーチミン市は、オートバイの洪水です。信号機が少なく、交通規則が徹底してないので、広い通りを車線を無視して好き勝手に行き来しています。

通りを横断するコツは、左右を見ないで、走らず立ち止まらず歩をすすめることです。オートバイと目があったりすると、ゆずり合ったりするので、かえって事故に遭うことになります。一定のペースで歩んでいると、左右からのオートバイは、こちらの動きを察知して、よけてくれます。頭は動かさず、目玉だけを左右に往復させながら、横断します。

メコン経済圏のタイ側の中心地 チェンマイ

東南アジア最大の川は、メコン川です。源をチベットに発し、6カ国をうるおしています。中国の雲南省では深い渓谷を割って流れ、ラオスとミャンマーの国境、ラオスとタイの国境をうるおしつつ、カンボジアを貫流し、ベトナムに流れ込み、河口において豊饒なデルタをつくっています。メコン川の水量は、日本の全河川を合わせたよりも多く、流域面積は日本の国土の2倍以上あり、ベトナムのメコン・デルタの面積は北海道ほどもあります。

チェンマイは、かつてのランナータイ王国の都で、特異な仏教文化、明美な風光、女性美を誇っています。タイには、20種族50万人の山岳民族がいますが、チェンマイからいくつかの村々を訪ねることができます。

今、メコン川を囲む6カ国が人口2億3000万人のメコン経済圏をつくりつつあります。タイ側の中心地がチェンマイです。チェンマイからは中国は近く、雲南というと秘境にきこえますが、チェンマイからはひと飛びです。

日本人の知らない間に人口30万のチェンマイは、大きく変貌をとげつつあります。次代のアジアがここから望見できます。

ラオスの国会図書館って、どれくらい大きい?

ラオスの首都ビエンチャンの国会図書館に館長を訪ねました。国会図書館の大きさは、コンビニくらいで蔵書数も数千冊という感じでした。館内、というより室内には、誰もいず、しばらくして館長が草取り姿でもどってきました。

ラオスはそのころ戦争と革命のまっ最中でした。自前の教科書もろくろくありませんでした。テレビは、タイ人とは兄弟民族なので、タイ語の放送局で代用していました。発展途上の国家のひとこまです。

木の根が飲み込む建築群…カンボジア

1860年フランスのアンリ・ムオーは、ジャングルに放置されたままになっているアンコール・ワットを訪れ、「地球上で、この建築の傑作に匹敵するものは、多分ないし、決してない」と記しています。

放置された建築群を、繁殖力旺盛なガジュマルは、蛇のように、台石、回廊、塔、石像にまとわりつき、すべてを飲み込んでいきます。

気根が建物を飲み込んでいる姿を、自然の驚異を、アンコールでは実見できます。

スペイン語を話すサンボアンガ人…フィリピン

フィリピンは三角形からなります。底辺部にあるのがミンダナオ島です。ミンダナオ島の南西端に人口60万のサンボアンガ市があります。イスラム文化、スペイン文化、アメリカ文化がフィリピン文化と混在して、フィリピンの中でも異色な風景をかもしだしています。

サンボアンガは、フィリピンのイスラム教徒モロ族の基地です。モロ族はスペインの圧政に執拗な抵抗を繰り返し、スペインに唯一屈しなかった歴史を誇りにしています。アメリカ占領期になって、文化的独自性を無視され、現在に至るまで差別を受けています。

ここではレストランでビールは、「セニョリーナ。ウノ セルベーサ、ポルファボール(Miss! One beer, please.)」とオーダーします。フィリピンではここだけが、スペイン語を話します。ビールが来たら、「グラシャス(Thanks.)」とお礼をいいます。

1億3千年前の熱帯雨林タマンネガラ…マレーシア

マレー半島中央部に世界最古1億3千年前の熱帯雨林のあるタマンネガラがあります。面積は4000平方キロ以上あります。50メートルをこえる大木が密生しています。ここには野生のトラやゾウが500頭以上いるといわれています。他に、サル、シカ、野豚、バク、ヒョウ、水牛、オオトカゲ、鳥もいます。

ここでは、夜間動物観察、トレッキング、キャノピーウォーク、ジャングルウォーク、ナイトサファリ、水浴が体験でき、現地の人やいろいろの国の人と仲良くなれます。

ジャングルの中には、岩塩場があり、近くには大きな火の見やぐらのような6畳敷きぐらいの小屋が立っています。ここで夜間動物観察をおこないます。日暮れが近付くと周囲から異様な動物の鳴き声がこだまし、昼間は敵対している動物たちが順番待ちをしながら、そぞろに集まってきます。岩塩場の近くでは休戦協定を結んでいてあらそいをしません。

キャノピーウォークは、木々の上端30メートルもの高さの所にはりわたされた細い長いつり橋を、ユラユラゆられながらわたるものです。高さとユラユラでターザン気分になれます。

ここにはアスリとよばれる先住民もすんでいます。アスリ人の哲学は「とりすぎない」ことです。森はすべての生命の源です。とりすぎなければ、森はいつまでも豊かにあたえつづけてくれる、とアスリは言います。

なぜ食堂にも電気冷蔵庫はないの?…インドネシア

シンガポールからフェリーでインドネシアのビンタン島へ行きました。瀟洒な食堂に入りました。魚料理をオーダーしたら、主人は店内の冷蔵庫から魚をとりだしました。冷蔵庫は、氷冷蔵庫です。

この地域では、電気冷蔵庫を買う余裕はあっても買いません。停電がふいにやってくるからです。電気冷蔵庫がないのは、余裕がないからではなく、安定した電力の供給がないからです。

大レストランでは電気冷蔵庫がそなえつけてあります。というのは自家発電機があるからです停電ともなると、自家発電機から轟音(ごうおん)がたち、白煙がのぼります。

アムリットサルはシーク教の聖地…インド

シーク教徒はインド人口の3%を占めるにすぎませんが、各界で活躍しているのでインドのユダヤ人とよばれます。シン首相もシーク教徒です。男女は平等、すべての人は平等だとする宗教で、カースト制のしばりをまぬがれているので、職業選択に自由があります。

シーク教徒は髪には神が宿るとして、髪を切らずターバンをまきます。シーク教の聖地はパキスタンとの国境アムリットサルにあります。本山のゴールデンテンプルには、シーク教徒でなくても、無料で宿泊できます。シーク教徒は、イギリスとの独立戦争を果敢にたたかったことで有名です。

《 モルジブは 25 万が  200 の島に 》

モルジブはスリランカの南方にあるサンゴ礁の島々からなる国です。人口は川越市にもおよびません。紀元前からマレー系、インド系、アラブ系が住みついてできた国です。首都マレの街は小さく、第1キャンパスの角栄商店街の規模ですので、二日目には行き交う人は知った顔ばかりになります。

モルジブでは25万人が200の島に暮らしています。立派な独立国です。東アジアでは、人口2000万の台湾、130万人の沖縄での国論議が盛んです。人口25万のモルジブにいると、国家何だろうと考えさせられます。

《 ボスポラス 世界に平和の 伝導を 》…トルコ

イスタンブール市はアジアにもヨーロッパにも属します。イスタンブールの中のボスポラス海峡が、アジアとヨーロッパを分けています。ヒッタイトの昔からこの海峡は、文明の十字路であると共に、戦争の十字路でもありました。古来よりどれほど多くの名もない人が、戦いや王国の栄華の犠牲となったことでしょう。

ボスポラスは、もうこれ以上人びとを泣かす海峡になりたくありません。海峡を渡る人も平和を伝えてね、と願っています。

*《 ボスポラス 世界に平和の 伝導を 》 ガラタ橋にて 1995年

ベルギーの両民族は互いをまねない

ベルギーの首都ブリュッセルでは、道をへだてて、オランダ語を話すフラマン人とフランス語を話すワロン人が住みわかれています。北側のオランダ語系のフラマン人通りには、レストランは少なく食欲をそそるものはありません。ドイツ、オランダ、イギリスなどのゲルマン系は、食物、味覚に無頓着なところがあります。

一方、フランス語系のワロン人の通りでは、レストランも多く、味覚も豊かです。ここから生まれたフレンチフライひとつとっても、ついつい食べ過ぎるほどです。二度揚げ、牛のアブラ、太めのカットとさまざまな工夫がこらしてあります。フランス、スペイン、イタリアなどのロマンス系は、食べることが人生の一大事です。

北側のオランダ系のフラマン人は、頑として、いかにまずくとも、通りをへだてたフランス語系のワロン人のまねをしようとしません。

ヨーロッパでは、それぞれの民族が、自己主張をしあって、他のまねをしません。まねをした途端、自民族のアイデンティティがとけてなくなると思っているようです。

マクドナルドでビールをぐいぐい…ドイツ

ドイツ中央部のフランクフルトでは、スーパーマーケットにも魚は売っていませんでした。魚を食したくて、北海沿いのハンブルグまででかけました。マックの中でフィッシャーマンたちが朝からビールをぐいぐいやっていました。

フランスのディズニーでもアルコールはOKです。ヨーロッパは、アメリカ方式に異議を唱えてしっかり自分の方式を押し通しています。

ヨーロッパへ行くと、自分を主張することの大切さがわかります。

信用できない聖職者風…イタリア

ローマからバチカンまでバスに乗りました。途中で聖職者風の男と3人が乗り込んできて、体をぐいぐい押しつけてきました。かれらはこうして観光客からものを奪うのです。スペインでも同様の手口に会いました。私はウエストポーチにゴムの蛇をいれておきました。ギヤーとさけんでいました。

かれらは、降りる間際などに、獲物となる人をぎゅうぎゅう挟みうちにして、ジッパーをあけてしまいます。四方から体が圧迫されているので、気がつきません。以降、トラベルベストを、裏返して着るようにしています。ポケットが内側に来るので安全です。

かんちがいを招くシエスタ(昼寝)…スペイン

1993年夏、アフリカのモロッコからジブラルタル海峡を船でわたり、対岸のスペインのアルヘシラスへもどりました。アルヘシラスのクリーニング屋さんには、ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリス、フランス、スペインで着用したすべての衣類をあずけておき、着の身着のままでアフリカ小旅行へでかけました。

スペインに戻ったのは金曜の昼下がりでした。スペインはシエスタ(昼寝)の真っ最中で、このまま土、日と休日にすべりこんでしまいました。日曜発バルセロナ経由、イタリアのローマ行きの汽車の切符は購入済みです。衣類をローマまで送るように人を介して頼んで旅立ちました。ローマでは受け取れず、さらにドイツのフランクフルトのホテルにも未着でした。

ヨーロッパからアメリカにもどって一ヶ月後、衣類はまわりまわってオレゴンに送られてきました。郵送料や手間はそれぞれの地の篤志家負担です。シエスタのおかげで旅のよい思い出が増幅されました。

自動車の中にも日付変更線が…アメリカのネブラスカ

1999年冬、ニューヨークから西海岸まで大陸を横断ドライブしました。シカゴでは大雪に見舞われ、ハイウェイでは大型輸送トラックがスリップをおこし、そこここで横転していました。

中西部のネブラスカに入りました。雪のハイウェイはただひたすら一直線、「道は曲がっていないとあきるなー」と実感しました。ハンドルをひたすら動かさずに何時間もさわっているのは、苦痛でした。ニューヨークを出発して1週間をすぎたころでした。

昼12時半になったので、昼食のためとあるマチに入りました。レストランを数軒窓ごしにながめましたが、どこも人の気配がありません。こうなると、入る気も食べる気もしないものです。しかし、次のマチまでは数時間です。仕方なく、ぽつねんと食事をすませました。食事のまずいうらぶれたマチだなという印象を残して、また6時間ハンドルをにぎりました。

ずっとあとになって気がつきました。あの昼12時半は、11時半だったことに。飛行機には時差はつきものですが、国境もないところで勝手に時間が変わってしまうとは、思い至りませんでした。

Experience is the best teacher.(経験は最良の師)であることを、実感しました。一度は失敗の経験をしないと、自動車の時計を、また腕時計を調整することには思い至らないでしょう。

わたしのお気に入りの場所:黒山三滝

(『Jinsha Magazine』2005年4月)
黒山三滝は、東上線の霞ヶ関駅から一時間そこそこのところにあります。山深く緑濃く修験道(しゅげんどう)の道場ともなっていて、日本観光百選に入ったこともあります。森林浴に最適です。木々の濃い緑で心がやわらぎ、滝からのマイナスイオンで心身がリラックスし、一週間はイヤシモードに入ります。

山というものは、若いときはけわしく草木がぎっしりと生えています。しかし、風化と侵食により、なだらかな老年期に入り、やがて準平原に向かいます。日本の山は若く、年をとりません。山をカミサマとあがめ、手つかずにして、風化侵食を防いできたからです。Forests grow fish.(森がサカナを育てる)といいます。山は巨大な貯水タンクです。山からの豊富な栄養素で魚は育ちます。日本人が水に不自由しないのは、貯水力のある山を残してきたからです。

川越に住居、学校がある利点は、このような霊山に半日登山ができることにもあります。

 

障害者に優しいHP作成:観光振興のためにも配慮を

(2005年5月31日、「論壇」『琉球新報』 )

『琉球新報』論壇

観光振興のためにも配慮を

  2004年6月、ホームページに関するJIS規格(JISX 8341−3、俗にウェブジス)が制定されました。骨子は「誰もが使えるホームページをつくりましょう」ということです。注目すべきは「誰も」とは視聴覚障害者、肢体不自由者、高齢者などを含むことです。

  視聴覚障害者の半分150万人がインターネットを日常的に使用しています。この人たちにとってインターネットは社会との貴重な接点となっています。しかし使いづらい点がいろいろあります。

  全盲の人は、音声読みあげソフトを使ってネット上の新聞などからすばやく情報を得ています。しかし読み飛ばし機能がないと、ページごとに上部のメニューや案内などの不必要な項目を読みあげられてしまいます。また写真に代替テキストが設定されていないと、写真の内容を知ることができません。

  画面上の文字を拡大して情報を読み取る弱視の人にとっては、文字の大きさが固定されたページは拡大できないので利用できません。

  日本人の1割以上は、色覚障害者です。ある色とある色の組み合わせが不適切であると、文字や図形を判別できません。

  聴覚障害者は、音声と画像で解説がなされるページの情報を読み取ることができません。細かい手の動きができない肢体不自由者の場合は、マウスを乗せた時だけメニューが表示されるページは利用できません。キーボードだけで操作しているからです。

  高齢者はボタンが小さすぎたり、「もどる」とかのボタン名が英語であったりするページは敬遠したくなるものです。日本では2015年には4人に1人が高齢者となり、世界初の高齢者大国になります。

  障害者への支援ツール(道具)がいろいろ開発されてきています。両腕がなくとも唇だけで、また眼の動きだけで、操作できるツールも出回っています。しかしページのつくりに不備が多いので、うまく活用できません。

  5月16日に観光情報学会が恩納村で開かれました。わたしはこの機会に沖縄の全市町村のホームページを調べてみました。結論から言いますと、おおむねどの市町村のページもはじめから作り直した方がよろしいです。これは全国の市町村のページにもいえることです。わたしはアメリカを訪れました。差別にきびしいアメリカでは、公共機関の欠陥ページは告訴の対象になってきています。

  インターネットの重要性が高い島嶼(とうしょ)県の沖縄の市町村には、観光の振興のためにも、ユニバーサルデザインにのっとった易しいページづくりをしていただきたいものです。「易しいページ」とは、障害者、高齢者、インターネット初心者などに配慮した誰でもがつかえる愛情のこもった「優しいページ」でもあります。そんなページをもつ優しい自治体、観光地を高齢者、障害者は、さらに健常者も観光してみたくなるものです。

(「ホームページを使いやすくする会」主宰、東京国際大学教授)

 

ウェブアクセシビリティのページ
*ウェブアクセシビリティ確保のための要件

視覚障害者と共に歩む会ハーモニーの定例総会でのあいさつ

(2005年7月24日 調布文化会館 )
桑原政則です。5分程度であいさつをとのことですので、原稿を読みあげます。

まず地震のことから申し上げます。私たちはいま調布文化会館10階にいます。きのうの地震は震度5アメリカ、横ゆれもかなりのものだったそうです。地震の時にはエレベータはだめですが、階段も降りない方がよさそうです。この建物は倒れないようになっていますし、倒れるようなら下におりたほうが危ないですから。このままここにいるほうが安全なようです。

本題に入ります。去年ホームページに関する規格ができました。道路には道路交通法があり、交通弱者を守っています。今度できた「誰でも使いやすいホームページ」の規格は、眼などの不自由な人もホームページを使えるようにしようというものです。

去年できたばかりですが、自治体、大企業がゾクゾクと取り入れようとしています。最近では三井住友、TBS、日立などがとりいれました。日本はヨコ並び社会ですので、2,3の企業が実施すれば、他の会社も一斉に使いやすいホームページをつくりだすでしょう。この情勢で行くと、使いやすいホームページの数は日本がいずれ一番になるでしょう。

日本が情報弱者先進国には、ただひとつ条件があります。法律や規格は使う人が声を大にして、不便を訴えないと生きてこないということです。企業はブランドイメージ、社会的責任を気にします。わたしたちが「ハーモニー」などを通じて、「この会社のホームページはここが不便です。ここを改善してください」などと声を上げるたびにホームページはよくなり、大事なことですが、企業も利益を出せるようになります。ここには中国からの方々もいらっしゃってますが、外国ホームページも追随して使いやすくなります。

この調布には武者小路実篤記念館があるそうです。「君は君、我は我なり。されど友なり」というのが実篤の有名なことばです。このようなイベントを機会に、通信環境、ホームページが使いやすくなって、友達の輪がどんどん広がって大きくなっていくことをねがっています。

今日は全盲の風流亭楽勝さん、夢乃屋快楽さんの落語も楽しみにしています。おあとがよろしいようです。あいさつをおわります。 

ハーモニーのMLでのあいさつ

(2005年7月)
こんにちは。桑原政則です。1995年以来、毎日ホームページを更新しています。

わたしは、ホームページの他に、東南アジアのことも勉強しています。
アジアには電車、汽車といった公共輸送機関がなく、「眼の人」(視覚障害の方)は買い物もでき
ず不便をかこっています。

日本のホームページがよくなり、音声で自由にニュースを聞き、ショッピングなどを自由にできるようになれば、アジアや外国もまねをするようになり、そこの人たちも新しいしあわせにであうことになります。

それには、日本の「眼の人たち」(視覚障害の方々)がハーモニーなどを通して発言することが大切で、わたしはそのために微力をつ くしたいと思っています。

世界中の「眼の人たち」(視覚障害の方々)が翻訳ソフトを介して連絡をとりあい、新しい世界を築きあう日が近いことを ねがっています。 ◇ 2005年7月30日 記


ウェブアクセシビリティ実例見聞録」のインタビュー

(2005年8月11日、インタビュアー富岡ノブヒロ)

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よい情報はみんなで共有しよう!

【 ウェブアクセシビリティ実例見聞録 】

第7号(2005年8月11日)
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日中、街を歩くとプール帰りの子供たちと
すれ違うことが多くなりました。

濡れた髪のまま満面の笑顔で走り去る姿に、
思わずこちらの表情も緩んでしまいます。

子供は遊んでいるときが一番輝いていますね。

こんなことを書いているうちに スイカが食べたくなってきました。
さっさと本題に入ることにしましょう。

お早うございます。
発行人の冨岡信弘(とみおかノブヒロ)です。

いつもご購読ありがとうございます。 今日も最後までお付き合いください。

バックナンバーページ http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000157597

今回お話をうかがったのは 東京国際大学教授の桑原政則先生です。

■桑原政則オンライン http://www.aoikuma.com/  

■サイトの内容
桑原先生が関心を持ったことを
先生独自の視点でジャンルを超えて収集し、
アクセスできるように構成した
いわば桑原先生流ポータルサイト。

先生は、 1963年にタイ国調査団を組織してタイを訪れて以降、
タイを中心とした東南アジアの研究に専念。
タイでの客員教授などを経て
1975年、東京国際大学に迎えられました。

東南アジアと日本の架け橋という
重要な役割を担うと同時に
先生の旺盛は学究心は
森羅万象に向けられています。

ウェブアクセシビリティもその一つ。
東南アジアとウェブアクセシビリティの間には、
思わず膝を打つような理由がありました。

猛暑の都内で先生にお目にかかって
まさに熱いお話を伺いました。

インタビュー記事ここから。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
桑原政則オンラインはどんな理由で始まったのですか?
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以前は、東南アジアの講義で写真を見せるためにスライドを使っていたの
ですが、もっと簡単な方法はないかと探した結果、ウェブサイトの利用に
行き着きました。

ウィンドウズ95が出る少し前でしたから約10年前。手探りでのスター トでした。

自由にどんどん情報を追加、更新できるのがウェブサイトの素晴らしいと
ころです。ドメインの「aoikuma(あおいくま)」は、いつも自分自身と
学生に言っている五つの言葉

・あせるな
・おこるな
・いばるな
・くさるな
・まけるな

の頭文字をつなげたものです。

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拝見すると膨大なページ数に驚きます。 全体で何ページあるのですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

学生諸君からは実にさまざまな質問が寄せられます。それらに答えるため参考
になるサイトへのリンクを加えてきた結果、芋づる式にページが増えて今
のようなカタチになりました。今では2000ページくらいあると思いま
す。

結果的には、沖縄、日本の地域情報、東南アジア、コンピュータ、検索術、
ホームページ作成、総合情報が守備範囲となっています。

更新は、この10年間毎朝4時に起きて日課として続けています。生活の 一部になっています。毎日更新する方がかえって楽ですよ。畑の手入れみ たいなものです。コンピュータの作業としては、ゲームなどよりはるかに 面白いです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
CSSを含め、サイトの制作・運営を すべて一人でなさっているのですか?
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ええ。独力で勉強しながらつくってきました。学生諸君の意見や他のサイ
トを参考にして徐々に修正を加えています。ただ、実験ではなくあくまで
実用として取り組んでいるので、どちらかといえば保守的で安全な方法を
とっています。

既成のページは改良すべきですが膨大な時間がかかるので、3歩進んで2歩下
がるという感じですが、それくらいの気持ちで一呼吸おきながらやった方
が長続きします。

CSSを使うようになってからは、アクセスがそれまでの2倍に増えまし た。その理由ははっきり検証できていませんが、軽くなったことが影響し ているかも知れませんね。

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ご専門のタイを中心とした東南アジアと
ウェブアクセシビリティとはどんな接点があるのですか?
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東南アジアの将来を考えると、ウェブアクセシビリティには大きな意味を
見出せます。

例えばタイでは、インドの輪廻転生(りんねてんしょう)思想の影響で、
人間は罪あるために何度も生まれ変わっては苦しむものだと考えられてお
り、障害者への配慮が足りません。

主な交通手段であるバスはまったく障害者に配慮されていません。つまり
障害者は社会から阻害された存在であり、家にこもっているしかないので
す。

しかしウェブサイトが使えるようになれば、ニュースやショッピングがオ
ンラインでできるようになり、情報に関するバリアを減らすことができま
す。それにはウェブアクセシビリティの確保が欠かせません。

私は東南アジアの障害者の皆さんが潜在能力を引き出し、経済的に自立で
きるようなお手伝いをしたいと思っています。それが東南アジアの自立に もつながるはずです。

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タイ国内のインターネット環境はどうなっていますか?
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まだ一般に普及しているとは到底言えません。10年前の日本程度です。
だから、ウェブアクセシビリティについても知られていません。

それに、タイのウェブサイトは画像中心で重たいのが多いです。豪華に飾って
ある方がよいという感覚が強いんですね。

まず政府や官庁のサイトをアクセシブルにしていただくのが当面の目標で
す。そうしないと企業は変わらない。それから、アクセシビリティに配慮
することが利益につながる、やらないと儲からない社会構造に早くしない
といけません。

それには日本の貢献が必要で、こういう部分でこそ日本はお手本になら
なくては。まず日本のサイトをアクセシブルにし、みんなで東南アジアの
自治体や企業にもっと声を上げましょう、と言いたいです。

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沖縄についても造詣が深いと伺っています。
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沖縄は地理的に近いので、東南アジアからの文化的な影響が見られます。
その意味で私の研究対象に入っています。

沖縄の経済は3つのKで成り立っています。3つのKとは、「基地」
「公共投資」「観光」。しかし、基地と公共投資は減少する傾向にありま
す。いずれ残るのは観光のみです。

観光にはPR、すなわち情報発信が必要です。そこで、沖縄県内の全市町
村のウェブサイトを調査したところ、ほぼすべてのサイトがアクセシビリ
ティに関しては不十分という結果でした。

観光を基盤にするなら誰でも使いやすいサイトをつくるべきで、県や市町 村が先頭に立って取り組んでほしいですね。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ホームページを使いやすくする会」を主催されていますね。
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IT関係に就職した卒業生たちと話しているうちに、WEBJISのこと
が話題に上ったのがきっかけです。中にはヤフーや楽天に勤めている者も
います。

まだ組織立った活動はしていませんが、ITに関する交流会として時々集 まっており、意義のある活動につなげていければと考えています。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
インタビュー記事終わり。

桑原先生、ありがとうございました。

東南アジアの発展に ウェブアクセシビリティが必要だというご意見には、
さまざまな含みがありますね。

この考え方は、 東南アジアに限らず世界中に当てはまると思います。

ウェブを含むあらゆる面の
アクセシビリティやユーザビリティ向上が
障害を持つ人々が能力を発揮する機会をつくり、
社会の発展と豊かさの向上につながるはずです。

それは障害者だけのためというのではなく、 すべての人のために。

■桑原政則オンライン http://www.aoikuma.com/

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メルマガ【 ウェブアクセシビリティ実例見聞録 】では、
取材させていただけるサイトを募集しています。
アクセシビリティに配慮したサイトであれば、
企業、自治体、ネットショップ等、業種は問いません。
「このサイトがいいんじゃないか」というお知らせだけでも歓迎です。
お気軽にメールでお送りください。

取材・編集・発行/とみおかノブヒロ(グラフィック&ウェブデザイナー)
tomtom@kw.netlaputa.ne.jp
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(富岡ノブヒロ ウェブアクセシビリティ実例見聞録 第7号 より)

映画:「十二人の怒れる男たち」

(『Jinsha Magazine』2006年4月)

1990年、わたしはオレゴン州裁判所から手紙を受け取りました。「貴下はオレゴン州法廷の陪審員に選ばれました。つきましては、10月2日にメドフォード市司法局の陪審員室までご参集ください。…」。任命書に返信をしないと出廷可能と見なされ、欠席の場合には法廷侮辱罪に問われます。

この直後にケーブルテレビが「十二人の怒れる男たち」を放映しました。陪審員のヘンリー・フォンダが、父親殺しの容疑をかけられている少年の無実を論理的に解明してゆく映画です。暴力シーンもない白黒映画ですが、12人の陪審員が、緊迫した雰囲気の中で白熱の討論をかわしていきます。作品の経過時間も鑑賞時間と同じで、まるで自分がクーラーのない蒸し暑い陪審員室での討論に参加しているような錯覚を受けました。アメリカでは陪審員ものは映画の確としたジャンルとなっています。わたしには「十二人の怒れる男たち」は「アメリカ学」の忘れられないテキストです。

 

ウェブ アクセシビリティ導入のポイント

(2005年11月25日、東京神田、ちよだプラットフォームスクウェア)

ウェブ アクセシビリティ導入のポイント
プログラム

特殊読みは小中学生に有害:方言漢字は「美ら島」で打ち止めに

05年11月16日 、「論壇」『琉球新報』)

特殊読みは超中学生に有害

特殊読みは小中学生に有害

方言漢字は「美ら島」で打ち止めにで打ち止めに

 宮古島市誕生にともない、市の観光業界ではキャッチフレーズを「美(か)ぎ島(すま) 宮古島」にするとのことです。沖縄ではあて漢字をつくることがお好きなようです。しかし遠くから見ていると独りよがりの感を免れません。観光にはもてなしの心が何よりだとすると、「美(か)ぎ島(すま)」は観光客に親切な言葉ではありません。美を「か」と読むのは小中学生には有害です。

 宮古島市から八重山の石垣島空港に降り立つと、「島ぬ美(かい)しゃ 心(きむ)美(かい)しゃ」のポスターが目を引きます。石垣島が宮古島市にならって、「美(かい)しゃ 八重山」と方言漢字でうたいはじめたら、今度は与那国島が「美(あびゃ)る島」となるのでしょうか?混乱に拍車をかけるだけです。

ウチナー読みは「美ら島」だけでやめてほしいものです。「美ら島」が正しく読まれるには、内外に強力にアピールし続けても50年はかかると思われます。「ちゅらしま」では漢字変換もされず、「びら島」と読まれ続けます。また語源的にも「清」が正解です。「美」より「清」のほうが環境の時代にふさわしいようです。

  沖縄では漢字が、多くの読み方をになわされて、ヒーヒーいっています。漢字のわかる台湾、中国、韓国からの外国人も、読み方を聞いたら大いに違和感をもつでしょう。西原の西(にし)は北のことだと知らされたら、なんと思うでしょうか。あて漢字は、誇るべきことではありません。

  方言は文化で貴重な財産です。「しまくとぅば」は正しく後世に伝える必要があります。ある機関の広報誌では「ガンジュー(元気)?」といったシリーズがあります。ガンジューは「頑丈」が語源です。沖縄県庁の「沖縄こどもランド」では、《「いらっしゃいませ」の意味の「メンソーレ」は、「参(まえ)り候(そうら)え」が変化した言葉》と何年も前から説明しています。琉球語には候文(そうろうぶん)はありませんでした。メンソーレーはイメンセーン(「いましあり=いらっしゃる」)の「イ」が脱落してメンセーンとなり、メンソーレとなったというのが定説です。沖縄のこどもがメンソーレの語源を誤解したまま、他人に話すようにならないことを願います。

  いずれ地名、特に方言名は「チャタン(北谷)」というふうにカナ+漢字表記にしてほしいものです。方言は外国語の一種ですから、カタカナ表記が似合っています。遠い将来には「Chatan(北谷)」とローマ字併記にすれば、沖縄の地名を読めない人は日本から世界からいなくなります。世界標準をめざす沖縄観光のあり方です。

  ともあれ観光のためにはもちろん、沖縄の子供たちの将来のためにも漢字の沖縄読みはふやさないでほしいものです。わずかな違いですが、「ちゅ(清)ら島 沖縄」「か(清)ぎすま(島) 宮古島」「かい(美)しゃ 八重山」「「あびゃる島 与那国」と「方言+意味」にすれば、各島の独自性、魅力を訴えることができ、沖縄観光全体のバリューアップにも通じます。(東京国際大学教授)

 

 「観光振興は良いHPから:障害者の雇用促進にも」

2006年1月12日 、「論壇」『琉球新報』)

琉球新報論壇

沖縄観光振興は使いやすいホームページから

障害者の雇用促進にも  

 日本のホームページ、特に観光に重点をおく沖縄県の自治体、公共機関のそれはもっと使いやすくする必要があります。2004年にはホームページを使いやすくするための、また今年の10月には携帯電話を使いやすくするためのJIS規格が制定されました。しかしまだ充分に認識されてはいないようです。

 以前東京でホームページを使いやすくするためのシンポジウムが開かれました。テーマのひとつは「沖縄県読谷村を観光する」でした。全盲者や四肢障害者がパソコンや携帯電話を使って読谷村まで行き、観光するまでの体験を報告しました。東京からの鉄道、飛行機などの交通機関の利用はため息が出るほど難儀をきわめ、読谷村観光を充分楽しむまでには至りませんでした。

  日本では20人に1人が何らかの意味で障害者といわれています。2015年には4人に1人が65歳以上の高齢者となります。障害者や定年をむかえた団塊の世代は、沖縄観光の予習のために使いやすいホームページを待ち望んでいます。

  ITの時代にはよいホームページは、高い観光宣伝費をかけなくても、口づてに地域の露出度を高め、知名度を上げてくれます。何百万人の潜在観光客を掘り起こしてくれます。

  日本の自治体のホームページの現状は、道交法ができたばかりで罰則規定がないために、道路計画もなく各自がてんでに家を建てているようなもので、経費、時間、エネルギーの大きな無駄づかいとなっています。(那覇、金武、恩納、北大東などのホームページは使いやすいです。)

  ユニバーサルデザインにのっとったホームページの運営は、変化の激しいインターネットの社会では、経費、技術の面で至難のわざです。(東京都ではトップページの更新だけに5人の専属をあてています)。そこで県などが旗を振り、あるいは複数市町村が連携してホームページのひな形をつくり、基本設計を共通にすることが考えられます。

 そうすれば、経費を抑えることができ、運営も楽になります。また利用者にとっても、各市町村ホームページのメニュー、観光案内、アクセス地図、サイトマップなどが共通仕様であれば、市町村ごとに操作学習を学ぶ必要がないので、使いやすくありがたいことです。

  障害者、高齢者、初心者に使いやすいホームページがふえると、沖縄の障害者にとってもネット学習の機会がふえ、就労の機会も増します。障害者がまじめに働いていると、周囲の人々はよい刺激を受け、労働意欲や規律も向上し、職場や地域が活性化します。また沖縄のイメージアップにもつながります。

  観光の目玉は、ものではなく、気くばりです。人は敏感です。健常者も、障害者、高齢者にやさしく、もてなしの心があるところで、ゆったりとすごしたいと願っています。

 バリアフリーの気くばりのあるホームページの提供は、観光の振興にもなり、障害者の雇用促進、沖縄のイメージアップにもつながります。沖縄自治体が全国のトップを切るよい機会です。(東京国際大学教授)

市場原理主義社会からシットリ社会へ 

(2006年3月12日)

  1. 鈴木大拙は、「西欧文化にはものごとを二分してしまう傾向があり、世界文化の形成におもしろからぬ影響をおよぼす。それに反して東洋の思想には対立を超える英知がある」と述べましたが、彼の望んだ時代はかえって遠のいているのが現状です。
  2. アメリカが主導するグローバル資本主義思想の淵源は、遠くユダヤ・キリスト教文明、西欧文明に求められ、フランス革命のリベラル思想やニューディール政策に対抗するところからはじまりました。この思想はエドモンド・バーグの影響を受け、今やアメリカ政治の中枢を占め、世界を覆いつくそうとしています。
  3. 「選択と集中」「市場主義」「競争社会」「規制緩和」「構造改革」「小さい政府」「地方分権」「自己責任」などの標語が喧伝(けんでん)され、深く進行しているのもこの思想と連動しています。デジタルデバイドに象徴される「選択と集中」は、少数の国、少数の都市、少数の企業、少数の人を選別し、他を切り捨てることであり、「選別と切り捨て」の別名です。
  4. 今や生産性の高いところと低いところの格差はひろがる一方です。世界はギスギス社会となり、無力感、閉塞感が漂い、明日への希望が見えません。人々の身や心は痛みっぱなしです。
  5. しかし、21世紀の基調は「国際協調」です。寺島実朗氏のいうホッブスのアメリカ(力の論理)は、いずれカントの欧州(国際協調)に席をゆずることになります。資本主義観にしても株主至上主義から従業員、顧客、地域社会、地球環境をバランスよく配慮したものになるはずです。
  6. 日本においても、蕉風の「不易流行」の精神に立ち戻る必要があります。「流行」は時代とともにどんどん変化していくものですが、「不易」はグローバリズムの風潮の中にあっても変えてはならない終身雇用などの日本社会の土台です。闇雲なギスギスした市場原理主義を相対化し、中間層をさらに厚くし、人間が主人公であるようなおもいやりのあるシットリ社会をめざしたいものです。

(「編集後記」『東京国際大学論叢』第11号の拙稿を改稿)

タイ風ラーメンのバミー

バミーは、薄い塩味のラーメンです。日本のラーメンとちがうのは、テーブルの調味料で味を調節することです。ナムプラー(醤油)、砂糖、粉唐辛子、酢などをまぜあわせ、自分用の複雑な味覚をつくりだします。タイのすべての料理も、これらの調味料を足して自分の好み創意を加えます。 日本料理では出されたものはそのままきちっといただくのがふつうです。食べ物に限らず、日本の文化は、風俗習慣も形にあてはめがちなキチキチ文化です。タイでは、料理も人間関係や習慣も、自由裁量の余地があるユッタリ文化です。 日本からタイなどの東南アジアの国におりたつと、なぜかほっとするのは、料理ばかりでなく社会全体に、型におしつけないゆったり雰囲気があるからでしょう。タイ風の生き方とは、バミーと同じく、人生を自分好みに味付けして、じぶんらしくゆったり生きることのようです。

企業は経営の透明性を

(2007年3月日)

(「編集後記」『東京国際大学論叢』第12号)

編集後記 米誌『Time』は、2006年の「Person of the Year」に「You」を選びました。ネット社会がリアル社会に地殻変動を起こす「総表現者時代」「総評論家時代」の到来を予見した決定です。かつてのマーケット理論は「ニッパチの法則」でした。「2割の商品が売り上げの8割を占める」「航空会社の乗客の2割が売り上げの8割を占める」などです。

今は市場という恐竜を支配するのは、ヘッドではなく、長いしっぽ(ロングテール)となってきています。ロングテールとは、ウェブ2.0の主柱をなす概念で、無数のYouのことです。紙媒体の雑誌はプロの書き手と編集者のコラボによる作業ですが、ウェブ2.0では無数のYou(=ロングテール)が、編集者を通さずにコンテンツをつくっていきます。

ウェブ2.0の例としては、クチコミサイトの「価格.コム」「@コスメ」、Q&Aコミュニティの「はてな」「OKWave」、SNS(ソーシャルネットワークサイト)の「mixi」「GREE」、ブログの「ココログ」「エキサイトブログ」、さらには誰もが書き込めるネット上の百科事典「 ウィキペディア」、「アマゾン」の書評、動画共有サイト「YouTube」があります。

ロングテールは、長年にわたり市場経済を支配してきたニッパチの法則を打ち破るパラダイムであり、無数のYouにとって血湧き肉躍るフロンティアの登場です。(ブッシュはイラクという頭をたたくのに性急なあまり、世界人口の4人に1人を占めるイスラム教徒というロングテールを無視しているようです。)

総表現社会は総評論家時代でもあります。無数のYouによる格付けは検索サイトにも如実に表れます。検索ランキングのトップは、新聞は朝日、県は神奈川、市は横浜、大学は早稲田、会社はシャープです(Google 2007年1月)。

企業、公共機関には、主観的な努力の他に、無数のYouの審判に耐えられる透明性、CSR(企業の社会的責任)、コンプライアンス(法令遵守)が求められてきています。 (桑原政則:論叢編集委員長)

大槻ヨーガスタジオオープンパーティ

  • 高〜い壇上から失礼します。
    マイクは通っていますでしょうか。聞こえますでしょうか。
    こんなに大勢、会場いっぱいになるまでお運びくださいまして、先生になりかわりましてお礼を申しあげます。
  • 東京国際大学の桑原政則ともうします。
    突然のご指名でとまどっています。
  • 先ほどの「サット・サンガの歌」にこんなのがありました。
    「行きを吐いてお休み」
    「行きを吐いて安らぐ」
    「行きを吐いて大地に」
  • わたしは大槻先生から、息の吐き方をならって、
    命のエネルギーを高めさせていただいています。
  • いままで 病気に関して、西洋医学は体だけを問題にしてきました。
  • ガン、アトピー性皮膚炎その他の病気に、西洋医学は手をこまねいているのが現状です。
    学問のレベルでいえば、西洋医学はまだ小学校低学年のレベルです。
  • 今、統合医学(ホリスティック医学)が脚光を浴びています。
    統合医学とは、体、心、命を三位一体としてとらえる医学で、
    扱う範囲も、「生老病死(しょうろうびょうし)」で「病」以外に、生き方もさらには死後のことも担当します。
    (略)
  • 統合医学とは、命のエネルギーを高め続けることですが、
    大槻ヨガは、実は統合医学の先取りだとわたしは考えています。
  • わたしは、インドへ3回行ったことがあり、インド大好き人間ですが、大槻先生とお近づきになれて、さらにインドやヨガに学問的にも引かれるようになっています。
    大槻先生から、元気をいただき、感謝しています。
    きょう撒いた大槻ヨーガスタジオの種が、大きく育ち、いずれ大輪の花をさかせるように、お祈りしています。
    大槻先生、おめでとうございます。
    みなさま、ありがとうございました。

「もっと貧しく、もっとゆっくり、そしてもっともっと心豊かに」

編集後記

  • 環境破戒、資源不足、貧富格差、地域戦争で文明が変質し、地球のうめき声が聞こえます。文明論がかまびすしいのは地球全体の危機感のあらわれです。
    工業社会の時代には、規格大量生産による豊富な物財がしあわせの象徴でした。しかし1980年代から、しあわせは、物財ではなく、心の満足にあると認識されるようになりました。非現実的な小説、オカルトに引きつけられるのも脱工業社会の特徴です。
  • 市場原理主義を掲げ、金融とITの合体で、濡れ手に粟の儲かるシステムをつくりあげたアメリカの繁栄も終焉を迎えつつあります。ヒト、モノ、カネがアメリカから逃げ出し始め、世界はアメリカの一極支配から多極構造へ進もうとしています。西欧文明はといえば、イスラム文明との宿命的な対決から逃れることができません。後世は今を最悪の時代であったと烙印を押すでしょう。
  • 世界には、ハンチントンによれば、西欧文明、日本文明、中国文明、インド文明、イスラム文明、ロシア文明、ラテンアメリカ文明、アフリカ文明の8文明があります。この中で近代世界をつくりあげたのは、西欧文明と日本文明です。(アメリカは西欧文明の子です。)
  • 日本は、中国文明を、さらにインド文明を取り入れ、西欧文明を加工して日本文明を築きました。
  • いま日本は、アメリカや諸外国からインプットばかりするのではなく、日本文明を外へ発信するときです。西欧文明とイスラム文明の宿命的対決をとく鍵は、相手も自分も正しいとするやわらかい日本文明にあるとの自覚が必要です。集団主義や終身雇用のよさも喧伝すべきです。21世紀は国際協調の時代です。世界が小さく、速くなるにつれ、ますます協調、やわらかさが重要となってきています。
  • グローバリゼーションが行き過ぎています。市場原理主義(損か得か主義)が、地域、家庭も崩壊に追いやっています。グローバリゼーションにハーモニゼーションを加えて、ギスギス社会をしっとり社会にしたいものです。世界は「もっと貧しく、もっとゆっくり、そしてもっともっと心豊かに」なりたがっています。

    (桑原政則:論叢編集委員長)

    (「編集後記」『東京国際大学人間社会学部論叢』第13号の拙稿を改稿)

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