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真珠湾のだまし討ちは、外交官のドジから 

(cf.小室直樹『日米の悲劇』光文社)98-1-25
日米の開戦前夜、ワシントンの日本大使館では、転勤していく書記官のために送別パーティーが開かれていた。このとき、日本側から宣戦布告の暗号電報が大使館にとどいていた。翌日になり,関係者は電報の暗号解読とタイプ打ちをはじめたが、前夜のパーティーのため、作業がおくれてしまった。午後1時までにできていなければならない作業を、完成したのが2時過ぎで、そのときすでに真珠湾への爆撃が開始されていた。

このときの日本側の責任者は、井口参事官と奥村書記官である。このドジをやらかした外交官を戦後日本政府は何もしなかった。外務省はこの事実をひたすら隠した。真珠湾はだまし討ちだとのアメリカの声明にも黙すのみであった。この二人井口参事官と奥村書記官は、戦後おおいに出世した。外務次官にまで上り詰め、勲一等までもらった。

ここから二つのことがみてとれる。

日本では勤務先が運命共同体になってしまっていることである。自己の所属組織、外務省の方が、社会よりも国家よりも、大切になってしまい、内の恥は外にもらさないようになってしまうのである。自分の会社が悪いことをしていても、外に報告してはいけないのである。

次に、上の例は、日本の大組織では、エリートで主流にたつ人には特別な規範が適用される、という典型例である。昨今の金融業界の不祥事においても、トップはうまく逃げおおしており、同様の現象がみられる。

 

                                 

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