タイ人が、いかに頭を自己の最重要部位として意識しているかは、語彙の上からもいえる。一般に、どの言語でも、重要と考えるところやものには、特別の名称を与えたり、いろいろの名称を与える。
たとえば、米はアメリカでは重要ではないのでrice1語ですまされてしまうが、日本人にとっては重要な作物であるので、<苗、稲、米、御飯、飯、ライス>など様々な言い方で表される。
タイ語では、毛はコンと呼ばれる。コンは人間の毛や動物の毛をさす。ところが人間の髪の毛のみは特別の言葉で、 ポム とよばれる。髪の毛に対置される陰毛はモーイとよばれる。また、ものを洗うのはラーンであるが、髪の毛を洗う場合のみは
サッ という特殊用語を用いる。さらに<頭>は、普通ホアと呼ばれるが、特別の場合には、パーリ語起源の
シーサ を用いる。 |