観光学メモのページ

 桑原政則   観光学のページ   


観光学メモ:
観光に関する行政の取り組みも具体的活動として活発化してきている。

     
2003年
1月
小泉内閣『観光立国行動計画』を策定

外国人観光客1000万人誘致へ

VJC(ビジット・ジャパン・キャンペーン、Visit Japan Campaign)の意義・目的
訪日外国人旅行者の増加は、
  • 相互理解の増進
  • 旅行収入の拡大
  • 関連産業の振興
  • 雇用の拡大による地域の活性化
をもたらします。

しかし、2002年の訪日外国人旅行者数は524万人であり、海外を訪れた日本人旅行者数は1652万人です。入り込み客は3分の1以下にとどまっています。受入数は、世界第33位、先進8カ国中では最下位、アジアでも第8位です。(国際観光の極端ないびつ状況)

そこで、2003年度からビジット・ジャパン・キャンペーンを実施し、2010年には1000万人の訪日外国人旅行者数を見込んでいます。

(2003年が「訪日ツーリズム元年」)

今後多くの旅行者が見込まれる重点市場は、韓国、中国、米国、香港、台湾です。

目標数字はキレが良すぎて、裏づけがあったようには決して思われません。なぜならば、これまで

「ウエルカム・プラン21」(2005年に700万人:1996年発表)、
「新ウエルカムプラン21」(2007年に800万人:2000年発表)

があり、その延長線上の倍増計画なのだから。今度の目標も、なにやら「実行の先送り」で、責任逃れ的状況に思える。

現在、アジア64%、北アメリカ18%、ヨーロッパ13%、オセアニア4%、その他1%(2001年度・国土交通省発表数値を四捨五入)…これらのシェアを大きく崩し、一方に偏することは避けなければなりません(将来、むしろアジア人以外の比率を高める必要があるのかもしれません)。この点は、現在の訪日外国人誘致の論議の中では、まったく出てこないこと。いまから注意を喚起しておきたいです。 鈴木勝


2003年9月 観光情報学会(Society for Tourism Informatics)設立

事務局:北海道大学大学院工学研究科 会長  大内東
観光情報学会事務局  川村秀憲  011-706-6499
kawamuraATcomplexDOTengDOThokudaiDOTacDOTjp

目的

観光を情報の視点からとらえ、観光と情報の融合による新しい学問領域の創出、この分野の人材育成、ならびに産官学連携の力を結集した観光振興による地域の活性化に貢献すること。

産業としての観光

2002年度における北海道の観光産業の総収入は1兆2千億円です。観光産業は一般にその2.5倍の波及効果があるといわれています。そうすると、約3兆円にもなります。IT産業は高々6千億円、農業は1兆1千億円です。(設立趣旨

観光産業の構成要素

観光産業は、観光者、行政、業者、観光資源からなり、これらの要素が密接に連関しているコンプレックス・システム(複雑系)と考えられます。そして、これらの要素を連関させるために必須のものが情報です。(設立趣旨






旅行者への危機管理

救急病院  警察  地震  火事  交通事故



観光データの発信を  鈴木勝

国内・海外の「観光プロフェッショナルへの情報」提供が不可欠なのです。

政府・観光局のデータを得た旅行会社・航空会社・ホテルその他の観光関係者は、自社商品・実績との比較をする一方、最新のトレンドを把握し市場環境の変化に即応し戦略を練ったり修正を行なったりします。
その基礎材料となるのは、「国家による観光政策発表」、「観光統計データ」、「マーケティング分析結果」の類であり、これらを一早く送受信することが観光振興に直結するのです。

最後に、日本はインバウンド数では世界35位ですが、観光データ発信もやはり、その程度もしくはそれ以下のランキングといえそうです。

(熱意度):HP全体の観光立国への“熱意”がうかがわれるか。
(国家主張):国家首脳・観光(所轄)大臣の主張が明確に、頻繁に発表されているか。
(一般情報量):一般観光情報の多寡。
(専門家情報):国の内外の観光産業/学術関係者に対し、データが発信されているか。
(インバウンド伸率):近年の国際観光客(インバウンド)の増加率。
(言語数):母国語以外に、何カ国語で発信しているか。
(更改頻度):情報が頻繁に、そして迅速に更改されているか。



危ない東京一極集中  鈴木勝

第1の理由として、「季節波動の激しい観光動態に対応できないこと」。日本人の海外旅行に関して、ハッピーマンデー、長期休暇取得、有給休暇の完全消化などが実施・推進される一方、オフ・シーズン格安価格ツアー政策も採られていますが、ピーク・シーズンの成田空港は相変わらずの混雑ぶり。一方、外国人も時期を選んで訪日する傾向にある。

 第2の理由として、「観光産業を継続的に活性化に導く手法は“リピーター”と“競合”の存在が不可欠であるが、これらの対策上、大きな難点がある」。前者として東京一極集中では、特にピーク時に関して、観光ルートはシンプルなパターンになりやすく、リピーター誘致には魅力の欠ける形態となる。後者は常にライバルが存在することによりニューアイデアや新商品が登場し、魅力あるデスティネーションとなる。

 第3の理由として、「観光振興上の危機管理」。東京圏における地震、テロそしてコレラや猛威を振るったSARS(新型肺炎)などの発生を想定しよう。外国人観光客は、代替地として、知名度が低く航空路線が少なく不便な関西圏その他を旅行するよりも、他国へシフトすることになる。

 さて、一極集中化から複数の拠点化を積極的に進めた結果、観光立国として大きく飛躍している国々が身近なアジアにある。たとえば、韓国、中国、タイ。これらの国々は複数拠点化を目指し成功している。


外国人の力をもっと借りたら  =外資導入  鈴木勝

海外の観光立国、例えばオーストラリア、シンガポール、タイ、香港、中国などの観光振興活動はどうなっているのでしょうか。そこでは外資系ホテルが先頭に立って外国人誘致を行っているのです。

日本における観光活動には、日本のことは日本人でという意識も強く、また外資系ホテルが日本の組織(政府・ホテル協会など)に入りにくく、一線を画しています。長期的展望に立てば、彼らがインバウンド活性化組織に参画し、前面に出て行動できる体制を早急に構築することを強く要望したいです。

二番目に、インバウンド事業分野での、経験豊富な外国人マネジャーの採用。

政府主導により実施されている日本人対象の「観光カリスマ百選」。身内で称え合う”以前に、まず外国人を顕彰すべきであり、次に日本人でしょう。




国際観光客は2020年には現在の2倍以上に   鈴木勝

20世紀最後の年、2000年には全世界の外国旅行者数が6億9,700万人に上りました(世界観光機関WTO)。30年前の1970年にはわずか1億5,900万人であったものが、4倍にも膨れ上がった計算です。まさに「グローバル大交流」時代。

この飛躍的な進展を続ける外国旅行者を扱う観光産業は、現在では世界全体の総生産の11.4%を占め、同時に2億人の雇用がある世界最大の産業になっています。さらに同機関は、2010年には10億人に、そして2020年には16億人になると予測。こうみると、「21世紀における国際社会の“リーディング産業”は観光産業」といわれてもおかしくありません。なかでも、アジア地域での観光の伸びは著しく、2000〜2010年にかけて年平均増加は7.7%と試算され、世界全地域で最大の伸び率を示し、ある識者によれば、巨大空港建設を軸として、“アジア・ビッグバン”と称される現象が2010年代に出現すると言われています。


1970年  1.6億人
2000年  7億人
2010年 10億人
2020年 16億人





観光産業の波及効果

観光産業はその2.5倍の波及効果があるといわれています   WTO


ITと観光客の拡大に因果関係はない

 沖縄への観光客数の増減を見ると、1976年以来およそ30年間、ずーっと毎年平均4.8%の伸び率を継続していて、横に時間、縦軸に観光客数をプロットしたセミログのグラフはキレイな直線になる。95年のインターネット元年を挟んで伸び率に変化はない。ITの普及と観光客数の拡大の間に因果関係はなさそうである。  
 実際には沖縄観光は非常に単純に言えば受入施設である客室の増加とともに伸びてきた。供給が増えることによって航空、旅行会社がキャンペーンを行って需要を掘り起こし、実際に需要が拡大、それを見て供給がまた増えるという相互作用で伸びたのである。

渡久地明 「ITが旅行市場に与えたインパクト(下)」、2004年












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