桑原政則 研究室桑原政則の広場

日本語における内と外 《問題》

内と外をなぜ、強く区別するか?

日本では、容易に内の者は他人の個の中に入り込める。家族の者、クラブの仲間、会社の仲間などは、驚くほど仲間の△△△△△△を知っている。

 

「こんにちは」「こんばんは」は、外向けの言葉 

「こんにちは」「こんばんは」は、他人(out-group)に使う挨拶、外向けの言葉である。自分と同じ集団に属している人(家族の間や職場の人=in-group)には使わない傾向にある。特に□□には使わない。

 

「こんにちは」「こんばんは」は、それほど丁寧な言葉でない

「こんにちは」「こんばんは」は、客が店員にいうことはできるが、丁寧な印象を与えないので、店員は客に言えない。「○○○○○○○○」などと言う。 

 

夜の「おはようございます」は、内意識の醸成のため 

□□人やマスコミ関係者が夜出会っても、「おはようございます」と挨拶しあうのは、内意識を作り出すためもあろう。「こんばんは」だと他人に使う言葉であるので、ぶっきらぼうで、他人行儀に聞こえる。

 

さようなら

「さようなら」は、「こんにちは」、「こんばんは」と同様、家族の間やその他のin-groupでは、用いない。もし、用いたら、□□と会わないことを意味する。

 

「□語」と「日本語」

English (英語)は、日本人が習おうと、アメリカ人が習おうとEnglish (英語)である。しかし、「□語」は日本人が習うもので、「日本語」は外国人が習うものである。

 

氏名の〇〇〇〇書き  

氏名の書き方においても、日本語は内と外の区別を厳然としている。西洋人は自分の姓名を〇〇〇〇で記さねばならない。漢字は許されない。

 

「いってらっしゃい」

「いただきます」「ごちそうさま」「行ってまいります」「行ってらっしゃい」、「ただいま」「お帰りなさい」などの決まり文句(set phrase)が盛んなのは、日本が人並み社会であり、人と同じことをしていると安心できる社会であるからであろう。

 

「ああ、あれですか」 

「あれ」は、話し手と聞き手が共有する話題について話すときにも用いられる。「あれ」は、話し手と聞き手の共有する知識の量に比例して、多く用いられる□社会(同僚や家族の間)用の言葉だ。

 

「先日はごちそうさまでした」 

日本人は前回受けた好意に、礼をのべる習慣がある。これは、自分が相手と同じ経験を□□したことを確認する儀式で、内意識・仲間意識を醸成するのに役立つ。

 

なぜ同じものを注文する?

初めてのデートで食事を共にするときは、相手に合わせて同じものを注文した方がよい。
違うものを食べるより、同じものを食べたことのほうが、□意識・仲間意識が強く働くからである。

 

プレゼントをなぜその場であけないの?

日本人が、プレゼントをもらった場合、その場ですぐあけないのは、あとでお礼を言う習慣があるからである。あとから、そのことに言及したほうが、□□関係をさらに深めることができるのだ。

 

他人なのに「お姉さん!」  

自分の家族でない人を指すときにも、「おじいさん」「おばあさん」「おじさん」「おばさん」「おにいさん」「おねえさん」などの□□名称を用いることがある。□□名称を用いると、親しみやなれなれしさを表し、仲間意識を作り出すのに役立つ。

 

なぜスナックの「ママ」なの?

スナックの女主人を「ママ」とよぶのは、ママとよぶことによって、□□家族関係をつくり、一日のきびしい勤務から解放されて、母親に対するように甘えたいからであろう。

 

国会議員をなぜ「おじさん」といってはいけないの?なれなれ

議員、医者、弁護士、教師など人の尊敬を受ける職業の人には、「先生」という敬称を用いる。親族名称はあまりにも〇〇〇〇しく感じられて、尊敬の念が薄いからである。

 

駅のアナウンスは「お忘れ物のないように」などと、なぜばか親切なの?

日本人は、自分の集団に属する者に対しては、できるだけの親切と配慮をすべきであると考える。駅員が、乗客に対して、「お忘れ物のないように」「足元にご注意ください」などと、いらだつほどばか親切なのは、乗客が一時的にせよ、客、つまり□の人間であるからである。

 

お客さんとは□□的な内の人間 

「お客さん」は□□的な内の人間であり、通常は親切かつ寛大な扱いを受ける。

 

おトイレ 

カタカナ外来語には、「お」をつけない。「おテレビ」「おブランディー」といわないのは、これらがカタカナ外来語であって、□□の日本語でないからである。

 

「社長はおりません」  

日本人は自己を集団と□□化する。したがって、会社の受付けの女性は、訪問者(他の集団を代表するひと)に向かって話す時は、社長などの上司についても、敬語ではなくて、自分のことを話すときと同じように、□□語を用いる。

 

「かど」と「すみ」

「かど」と「すみ」は、共にcornerで表されるが、「かど」とは、cornerを□から見た時に、「すみ」は反対の側から見たときに用いる。

 

「〇〇〇〇〇」と「おしっこ」

「〇〇〇〇〇」を野外での用足しに、「おしっこ」を屋内での用足しにと使い分けている子供がいる。

 

「行く?」と「行きますか?」 

Do you go?は、日本語では、@「行く?」あるいはA「行きますか?」と訳される。@の場合には、相手が□の者(か、下の者)であることがわかる。Aの場合には、相手は外のものである。

 

よそ 

「よそ」とは、自分の集団とは関係のないことを強く意識した言葉である。「あいつ近頃、○○○○しいな」と言った場合には、あいつが、こちらのではなく、よその集団に属しているかのように振る舞っていることを非難しているのである。

 

《問題》

1 「内と外」をあらわすことばを、この他にあげてコメントを加えてください。
2 「内と外」に関する川柳をつくり、コメントを添えてください。

 

                                 

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