ウェブ アクセシビリティ チェック100項目のページ

ウェブアクセシビリティとは、「ホームページの利用しやすさ」のことです。国立国語研究所ではアクセシビリティを「利用のしやすさ」と言い換えるように提案しています。

ウェブアクセシビリティの基本3要件は、「見出しの使用」「画像に代替テキスト」「読みとばし機能」です。この3つだけでもまずはクリアすることで、ウェブの使いやすさは大幅に向上します。

★2005年11月25日の「ウェブ アクセシビリティ導入のポイント」(「視覚障害者と共に歩む会ハーモニー」ちよだプラットフォームスクウェア)で発表したものです。

 

ウェブ アクセシビリティのページ
誰でもわかる!パソコン用語 マイクロソフト
スタイルシート用語集Mitsue-Links
とほほのスタイルシート入門(基礎知識)


  1. (第1節 サイトの設計)
    ドメイン名:長くてもわかりやすい名前になっているか。
     
  2. 基本機能の維持:ブラウザの基本的な機能やGUIコントロールは変更していないか。
  3. ページの一貫性:サイト内の基本操作部分には一貫性があるか。
  4. キーボード:キーボードだけですべての操作ができるか。
  5. スタイルシート:構造と表現が分離されているか。
  6. 使用言語の明記:使用言語が明記してあるか。
  7. サイトチェック:サイトチェックを3か月に1度はおこなっているか。
    (第2節 ページ制作) 
  8. テンプレート:ページテンプレートはつくってあるか。  
  9. html文法:html文法に準拠した記述になっているか。
  10. キーワード:ページソースにはキーワードが入れてあるか。
  11. ページ概要:ページソースにはページ概要が入れてあるか
  12. ページタイトル:ページタイトルは明示してあるか。
  13. トップページ:トップページの表示速度は速いか。50キロ以下か。
  14. スプラッシュページ:スプラッシュページは使用していないか
  15. ファイルサイズ:ページのサイズは100キロ、画像サイズは50キロ以下であるか。
  16. ページの位置:ページの現在位置は明示してあるか。
  17. ページ幅:ページ幅はリキッドレイアウトで設計してあるか。
  18. 横スクロール:横スクロールを使用していないか。
  19. 印刷:横幅がA4紙に印刷できるように設計してあるか。
  20. ページの高さ:ページの高さは1500ピクセル以内になっているか。
  21. メニュー:メニュー項目数が多い場合にはグルーピングがなされているか。
  22. メニュー:メニューは左端に置いてあるか。
  23. 検索ボックス:サイト内検索機能があるか。
  24. サイトマップ:サイトマップがあるか。
  25. 読み飛ばし:読みとばし機能(ナビゲーションスキップ)があるか。
  26. 更新期日:ページには更新期日を明記しているか。
  27. 自動更新:ページの自動更新をしていないか。
  28. 外国語:必要に応じて外国語ページも用意してあるか。
  29. ステータスバー:ステータスバーに情報を表示していないか。
  30. 工事中のページ:工事中のページは掲載していないか。
  31. ページのURL:ページのURIは、ページを刷新しても、もとのままか。
    (第3節-1 フォント、文字 ) 
  32. ゴシック体と明朝体:ゴシック体を使用しているか。印刷では明朝体になっているか。
  33. 行間:行間は相対指定にしてあるか。
  34. フォントサイズ:フォントサイズは相対指定で、標準以上であるか。
  35. 記号:記号、省略表記は読みあげに配慮してあるか。
  36. 機種依存文字:機種依存文字は使用していないか。
  37. 特殊な用語:特殊な用語を乱用していないか。
  38. 装飾文字:取消線などの装飾文字にはテキスト情報が付記してあるか。
  39. スペース:単語内スペースは使用していないか。
  40. 日付:日付は「2005年11月25日」などとし、「/」などの記号を用いていないか。
  41. 数字の表記:価格などの数値は、半角文字で表記してあるか。
    (第3節−2 文章、見出し、箇条書き)
  42. 見出し:見出しには見出し要素を用いているか。
  43. テキストの可読性:わかりやすい文章を提供しているか。
  44. 途中改行:長い行では、途中改行がなされているか。
  45. 1文1事:文章は1文1事になっているか。
  46. パラグラフ:1パラグラフは10行以内か。
  47. 空白行:パラグラフのあとは、空白行になっているか。
  48. 字下げ:字下げはおこなっていないか。
  49. 情報量:情報量は印刷物よりも少なくしてあるか。
  50. 3項目以上は箇条書き:3項目以上の場合、箇条書きになっているか。
  51. 箇条書きとリスト要素:箇条書きにはリスト要素を用いているか。
    (第3節ー4 リンク) 
  52. リンクテキストの下線:リンクテキストには下線がほどこされているか。
  53. リンク先の内容:リンクはリンク先の内容がわかるように表現されているか。
  54. 別ウィンドウ:別ウィンドウに移動するときは事前に知らせているか。
  55. リンク先が画像:リンク先が画像のみの場合には、リンク元でその旨明示しているか。
  56. リンクテキストの位置:リンクテキストは本文中におかれていないか。
  57. リンクとクリック:リンク文字、リンク画像はクリックしやすいか
  58. リンク途中の改行:リンク途中では改行はないか。
  59. リンク切れ:リンク切れのメッセージはわかりやすいか。
  60. リンク集:リンク集が設けてあるか。
  61. ダウンロード:ダウンロード用のデータには、ファイルサイズ、ファイル形式を明示してあるか。
    ( 第3節ー5 表)
  62. 表のタイトル:表にはわかりやすい表題をつけてあるか。  
  63. 表と内容:表はテーブル要素の使用にしたがってマークアップしてあるか。
  64. 表とレイアウト:表組みの要素をレイアウトのために使っていないか。
  65. フレームの使用:フレームの使用はなしか、最小限にしてあるか。
  66. フレームのタイトル:すべてのフレームにはタイトルが付けてあるか。
  67. フレームのスクロールバー:フレームのスクロールバーは表示されているか。
  68. 選択肢数の予告:フォームの項目には選択肢の数の予告があるか。
  69. フォームの入力項目:フォームの入力項目には文字種などの条件が的確に明記されているか。
  70. フォームのラベルとコントロール:フォームのラベルとコントロールが関連されているか。
  71. フォームと前画面:作業中の入力フォームの前画面にはもどれるか。
  72. フォームの確認:入力内容は送信前に確認修正できるか。
  73. フォームの時間制限:フォームの入力には時間制限を設けていないか。
  74. フォームのボタンの位置:ボタンは入力操作の流れに沿った場所に配置されているか。
  75. エラーの表示:エラーを色だけで表示していないか。
  76. フォームへの入力操作:フォームへの入力操作は最小限にしてあるか。
  77. テキストとビジュアルデザイン:わかりにくいテキストには図、動画、音声が加えてあるか。
  78. 音声とテキスト情報:音声情報にはテキスト情報も添えてあるか。
  79. 音声と視覚情報:重要な音声情報には視覚情報も添えてあるか。
  80. 音声の自動再生:音声情報は自動的に音を再生していないか。
  81. 音声の調整:音声は調整できるようにしてあるか。
  82. 色とグラフ:グラフなどの色には文字、パターンが加えてあるか。
  83. 文字色とコントラスト:文字色と背景色にはコントラストがあるか。
  84. ボタンの説明:ボタンの説明は「右下の印刷ボタン」などと具体的か。
  85. ボタンと画像文字:ボタンには役割がわかるように「検索」などの画像文字が組み込んでるか。
  86. イメージマップ:イメージマップはクライアントサイドになっているか。
  87. 画像と代替情報:画像にはalt属性、代替情報がつけてあるか。
  88. 画像がリンク元:画像にリンクをつけた場合は、alt属性にリンク先の説明があるか。
  89. 画像とテキスト情報:画像の重要情報にはテキスト情報が付記されているか。
  90. 画像のサイズ:画像サイズは50キロ以下になっているか。
  91. 画像の背景:画像の背景には透過色を設定しないか。
  92. 画像文字:画像文字は見やすいか。
  93. 画面の変化速度:画面の極端な変化、移動はないか。
  94. 動画と音声、テキスト情報:動画には音声、テキスト情報が添えられているか。
  95. 動画の調整:動画は調整できるようなっているか。
  96. PDFファイル:PDFファイルには代替html版の提供があるか。
  97. プラグインとアクセシビリティ:プラグイン、特定の技術はアクセシブルなものを用いているか。
  98. プラグインと代替手段:プラグイン、特定の技術には代替手段を提供しているか。
  99. プラグインと代替手段:ポップアップウィンドウを使用していないか。
  100. JavaScript:JavaScriptでは戻る機能は使用していないか。

第1節 サイトの設計

1 ドメイン名:長くてもわかりやすい名前になっているか。

ドメイン名には多少長くてもわかりやすい名前がよい。ドメイン名とは、
http://www.aoikuma.com/webevaluationpg.htmのうち、aoikuma.com
の部分である。たとえば、文科省はmext.go.jpであるが、訪問者は日本人なのでmonkasho.go.jpの方が覚えやすい。「桑原政則」は、kuwabaramasanoriの方が、省略形のkbmnより親切である。

ハイフン(-)とアンダーバー(_)は混同しやすいので避ける;kb_mn kb-mn。

2 基本機能の維持:ブラウザの基本的な機能やGUIコントロールは変更していないか。

  基礎的な操作をマウスなどでおこなうGUI(Graphical User Interface)は、基本機能を常用しているユーザーが混乱する場合があるので変更しない。

  1. スクロールバー、アドレスバー、ツールバー、メニューバーなどは、常に表示する。
  2. 右クリックによるメニューの表示を制限しない。視覚障害者は右クリックが禁止されていることを把握できない。
  3. スクロールバーの配色は変更しない。
  4. ウィンドウサイズは変更可能にしておく。

3 ページの一貫性:サイト内の基本操作部分には一貫性があるか。


基本操作部分の表現、形状、色彩、配置などは、テンプレートなどにより各ページ共通にする。基本操作部分が統一化されていると、ユーザーはサイトを巡回しているうちにページの基本構造を自然に把握することができる。
  1. ページ上部にロゴやメニューー、パンくずリストをおくと統一感がでる。
  2. 音声ブラウザでは、サイト内のどのページに行っても最初から順序通りにメニュータブやパンくずリストなどを読みあげてしまい効率が悪いので、本文への読みとばし機能を設ける。
  3. [戻る]ボタンなどに使用する画像のalt属性も統一する。ただし「戻る」だけではどこへ戻るがわかりにくいので「トップページへ」「前ページへ」などと明示する。
注)パンくずリスト:
パンくずリスト
パンくずリスト 【画像】

4 キーボード:キーボードだけですべての操作ができるか。

視覚障害者や上肢障害者などはキーボードだけを使う場合が多いので、キーボードだけですべての操作ができるようにする。次のようなキーボード操作を可能にしておく。

  1. 「上矢印」「下矢印」キーによる画面スクロールを可能にする。
  2. 「Tab」キーによるキーボードフォーカスの移動を可能にする。
  3. キーボードフォーカスの存在するリンクやコマンドは、「Enter」キーを押すまで、実行できないようにする。
  4. すべてのリンクおよび入力項目に、正しい順序で移動できるようにする。
  5. 次のようなJavaScript は、マウスでの操作を前提にしているので注意する。マウスオーバーのメニューで実行ボタンがなくキーボードで選択できない場合が多い。項目は選択しただけでは決定できないようにする。:onClick、onDblClick、onMousedown、onMouseup、onMouseover、onMouseout、onDragDrop、onChange。
  6. 特に、マウスがオブジェクトのウイークエンドにきた瞬間をとらえて何かをさせるonMouseover、マウスがオブジェクトからはずれた瞬間をとらえて何かをさせるonMouseoutでは、視覚障害者の場合、知らないうちにマウスを動かしてしまい、意図しない状況に突然巻き込まれることがある。
  7. リンク、メニュー、ボタンなどの機能操作部分をJavaやFlashで実現する場合は、HTML版も用意する。

一般にキーボードで操作できるページは音声ブラウザでも正しく読みあげられる。

5 スタイルシート:構造と表現が分離されているか。

  スタイルシートを用いて構造(中身、HTML)と表現(見栄え、CSS)を分離する。誤解しやすいが、見出しや箇条書きは構造に属する。CSS(CSS:CascadingStyleSheet)は新聞で言えば「割り付け」、家でいえば「間取り」となる。書体、フォントサイズ、色、行間、背景色などはCSSに属する。HTMLとCSSを分離すると、次のようなメリットがある。

  1. SEO(Search Engine Optimization サーチエンジン最適化)が向上する。
  2. 1つのスタイルシートを変更するだけでウェブサイト全体のデザインの変更を一気におこなうことができる。
  3. HTMLが簡素化され、タグの誤用も少なくなる。
  4. 音声ブラウザは、見出しテキスト読みあげ前に音をならし、見出しであることを示す。また見出しタグへのジャンプ機能がある。文字の大きさだけで見出しを指定した場合、この効果を得ることができない。
  5. ボタンやチェックボックスなどを<form>要素で指定すれば、音声ブラウザはデータ入力領域であることを指摘する。

 構造のための要素や属性と、表現のための要素や属性が分離されていない場合、自作スタイルシート利用者には、スタイルシートが正しく適用されない。
とくにマークアップ言語を次のような構造のために用いないようにする。

  1. 見出し(<h1>要素から<h6>要素)を文字サイズの指定に使わない。
  2. 引用(<q>要素、<blockquote>要素)をインデントのために使わない。
  3. リスト(<ul>要素、<ol>要素)をインデントのために使わない。

 スタイルシートには3通りの適用の方法がある。

  1. もっとも一般的で推奨でき、ユーザー側で表示スタイルを制御しやすいのが外部スタイルシートである。サイト全体の統一性を保ちメンテナンス効率もよい。CSSファイルを別につくっておき、HTMLの<head>区間に下のように<link>タグを記述する。
    <link href="stylesheet/index.css" rel="stylesheet" type="text/css" media="screen">
    <link href="stylesheet/print.css" rel="stylesheet" type="text/css" media="print">
  2. HTMLファイル内に直接スタイルシートを書き込む方法である。<head>区間の<style>タグ内にスタイルシートの内容を記述する。
  3. <body>区間にスタイル属性を用いて表示スタイルを記述する方法である。この方法ではユーザーは表示スタイルを制御できないので、アクセシブルでない。

 もともとHTMLはテキスト表現のために考案されたもので、見栄えを定義する機能はなかった。今後はXHTML+CSSがウェブサイト制作の主流になっていく。
また、一般のブラウザや音声ブラウザの中には、スタイルシート未対応なものがあり、スタイルシートで、表示順序を指定しても、音声ブラウザで反映されないことがある。スタイルシートの指定を無効にしても、内容が充分に把握できるようにする。positionやfloatなどはとくに注意する。

注)ウェブ標準(XHTML+CSS)のページ

6 使用言語:使用言語が明記してあるか。

使用言語が日本語(ja)の場合には、下線部のように記述する。

<html lang=”ja”>
<meta http-equiv="content-type" content="text/html; charset=Shift_JIS">

charset属性(文字符号化方式)には、Shift_JISの他にiso-2022-jpなどがある。

ページ内で他の言語を使用する場合には、<span lang="en">、<p lang="en">、<q lang="en">、<div lang="en">などと指定することが望ましい。こうすると音声ブラウザでは、指定言語に従った発音をする。
とくに自治体のサイトは、高齢者、初心者、外国人などのさまざまなユーザーが利用するので、使用言語には細心の注意が必要である。

7 サイトチェック:サイトチェックを3か月に1度はおこなっているか。

html文法に準拠した記述をおこなうのは基本中の基本である。html文法に準拠した記述であるかどうかは、「Another HTML-lint gateway」などのチェッカーでチェックすることができる。

Another HTML-lint gateway 簡易版html文法の採点

ファイルサイズ採点 ファイルのサイズと評価

ColorDoctor無償でダウンロード色のアクセスビリティをチェック。富士通

第2節 ページ制作

8 テンプレート:ページテンプレートはつくってあるか。

 ページテンプレートをつくっておくと、以降効率的なページ制作が可能になり、また新規ページの作成も容易となり、アクセシビリティも確保しやすくなる。

 ユーザーの閲覧環境は、閲覧マシン、画面解像度、ディスプレイの表示色数、OS、ブラウザ、ブラウザのカスタマイズ、回線速度、支援技術の種類など多様である。極力どのような環境でも正しく表示されるような設計をする。

9 html文法:html文法に準拠した記述になっているか。

 html文法に準拠した記述をおこなうのは基本中の基本である。html文法に準拠した記述であるかどうかは、「Another HTML-lint gateway」などのチェッカーでチェックすることができる。(注7:Another HTML-lint gateway) 

10 キーワード:ページソースにはキーワードが入れてあるか。

 <head>区間にキーワード(keywords)を入れておく。キーワードは下のように半角カンマで区切る。

<meta name="keywords" content="図解術,辞事典,東南アジア,ウェブアクセシビリティ"/>

11 ページ概要:ページソースにはページ概要が入れてあるか。

 <head>区間にはページ概要(description)も入れておく。ページ概要は全角100文字程度を目安とする。

<meta name="description" content="桑原政則オンラインはコラム、図解術、健康、沖縄、東南アジア、アメリカ、検索術、コンピュータ(ワード、エクセル)、ホームページ作成、総合情報のサイトです。" />

12 ページタイトル:ページタイトルは明示してあるか。

 ページタイトルは画面上端のタイトルバーに表示され、次のような重要な役割がある。

  1. ページ内容を理解するための最初の手がかりである。
  2. ブックマーク(お気に入り)にも使われる大事な要素である。
  3. 検索サイトの表示結果にも使われる。

 タイトル名が不適切な場合には、本文の内容が把握できない。タイトル要素が未記入だとURLが表示されてしまい、音声ブラウザの利用者は内容を把握できない。タイトル名は通常は、「<title>桑原政則オンライン:ウェブアクセシビリティのページ</title>」のように、「サイト名:ページタイトル」あるいは「ページタイトル名:サイト名」が望ましい。字数は全角30字までを目安とする。

13 トップページ:トップページの表示速度は速いか。50キロ以下か。

  1. トップページのファイルサイズは50キロ以下に抑えて表示所要時間を短くする。目安としては56kモデムで10秒以内に表示されるように設計する。
  2. ロゴ、メニュー(ナビゲーションバー)、パンくずリストを上部に配置する。ページ数が多い場合には検索窓、サイトマップ、リンク集なども設ける。
  3. 画像サイズは、トップページにおいては1画像あたり10キロを目安とする。
  4. トップページには意味のない画像やアニメーションを入れない。Flashなどのプラグインやアプレットは表示速度を遅くする原因となる。

14 スプラッシュページ:スプラッシュページは使用していないか

 スプラッシュページは、訪問者にとっては余計なステップなので避ける。スプラッシュページとは、Flashなどアニメーションだけが表示されるトップページのことで、実質的なトップページはこの次のページとなる。訪問のたびに飾りページをみせられるとビジターはうんざりする。スプラッシュページ以外でも、アイキャッチ重視の単なる装飾目的のコンテンツを好まないユーザーは多い。とくに行政サイドにおいては、平凡でも使い勝手のよいサイトを心がけるべきである。

スプラッシュページ

15 ファイルサイズ:ページのサイズは100キロ、画像サイズは50キロ以下であるか。

 ページのファイルサイズは100キロ以下、画像サイズは、50キロ以下を目安とする。画像には、width属性とheight属性を指定する。表(テーブル)の入れ子を多用しない。横罫線(<hr>要素)、表、フレームは相対単位で指定する。これによりインターネットエクスプローラの場合、[表示]―[文字のサイズ]で変更が可能となる。

16 ページの位置:ページの現在位置は明示してあるか。

 ウェブは、検索エンジンを利用すれば、東京から沖縄、沖縄からサンフランシスコへとサイトの中のページに一気にジャンプできる地図のない世界のようなものである。いわば建物の玄関を通さずに、建物の中の部屋へ直接入ることになるので、ユーザーは自分の位置を見失いがちである。そのため「(現在位置):○○のトップページ> 製品一覧> 製品の概要> 詳細仕様」などと「Yahoo!カテゴリ」などで採用されているように現在位置や階層構造を示すパンくずリスト(breadcrumbs)を各ページに表示する。

パンくずリストとは、『ヘンゼルとグレーテル』で迷子にならないようにパンくずを落としていったことに由来する。 音声ブラウザでは「>」などの記号を無視する傾向があるので、記号と文字の間にはスペースを入れる。通常、パンくずリストは、[トップ] [使い方ガイド] [コラム] [サイトマップ])などといったメニュータブ(ナビゲーションバー)の下に置く。

17 ページ幅:ページ幅はリキッドレイアウトで設計してあるか。

  ウィンドウサイズに合わせてページ幅が伸縮するようにリキッドレイアウトで設計する。スタイルシートを使用して80%前後の横幅指定とする。やむを得ない場合は、%指定の表にテキストを入れる。  リキッドレイアウト(liquid layout)とは、ウィンドウの幅に合わせてコンテンツの領域が伸縮するレイアウトのことで、低解像度では横スクロールが発生せず、高解像度では一覧できる情報量が増えて検索効率が高まる。

18 横スクロール:横スクロールを使用していないか。

  上肢障害者は横スクロールが困難である。リキッドレイアウトにすれば横スクロールの必要がない。スクロールは縦方向だけにすることで、ページを参照しやすくなる。

19 印刷:横幅がA4紙に印刷できるように設計してあるか。


 ページの横幅はリキッドレイアウトで指定にする。こうすれば、印刷したときに行がA4紙におさまる。[Internet Explorer]―[ファイルメニュー]―[印刷プレビュー]で確認することができる。

20 ページの高さ:ページの高さは1500ピクセル以内になっているか。

 縦に長すぎるページは、上下のスクロールが多くなりすぎて、ユーザーに負担をかける場合がある。とくに弱視者や上肢障害者は、スクロール操作が困難な場合がある。ページの縦幅450ピクセルを1画面として、3画面分までを最長とする。これ以上長くなりすぎる場合は、「ページトップへ」などとページ内ナビゲーションを用意する。 ざっとながめるニュース、エンタメ(エンターテインメント)などのページは短く、エッセイ、マニュアルなどのテキスト主体のページは高くする。テキストページの場合は短すぎると、印刷がかえって煩雑になる。

21 . メニュー:メニュー項目数が多い場合にはグルーピングがなされているか。

 メニュー項目の数が多すぎると、音声ブラウザ利用者は、すべての項目を参照するまでに時間がかかる。項目数は7±2を目安とし、多くなるときはグルーピングする。深さは4階層までとする。サイトマップを書物の索引とすれば、メニューは目次である。目次の各章は7節以内が望ましい。

 なお行政サイドでは、メニューやサイトの分類を制作側からみてわかりやすいカテゴリに分けてしまう傾向がある。 JavaScriptを用いてプルダウンメニューを作成する場合には、キーボードでも操作できるように、実行ボタンを付ける。プルダウンには、ポイントしているときだけ表示されるもの、離しても表示されるものがあり、また選択しクリックして実行できるものと実行ボタンをクリックして実行されるものがあり、統一した操作がないのが現状である。

22. メニュー:メニューは左端に置いてあるか。

 音声ブラウザなどでは、左からよみあげるのでメニューは左側に置く。あるいはメニュータブとして上端に置く。広告など見なくても不都合がおきないものは、右欄に置く。

23. 検索ボックス:サイト内検索機能があるか。

 ページ数が多い場合にはトップページに検索ページへのリンクではなく、検索ボックスをおく。ボックスは全角10字以上入力できるサイズにする。サイト内検索機能があれば、音声ブラウザ利用者は、音声読みあげにかかる時間を短縮し、必要な情報にすばやくアクセスできる可能性が高い。

 検索には、検索ボックスの他にメニュー、パンくずリスト、サイトマップ、リンク集が利用される。

24. サイトマップ:サイトマップがあるか。

 コンテンツの多いサイトの場合、トップページなどにサイトマップへのリンクを設ける。 サイトの分類項目としては、50音別、地域別、用途別、商品名別、年代別、ターゲット別などがある。サイトマップはすばやく検索するためのものだから、画像は多用しない。ページ数の少ないサイトの場合は、サイトマップの代わりにページ共通のメニューバーを設けるのも一法である。

25. 読み飛ばし:読みとばし機能(ナビゲーションスキップ)があるか。

 ページ共通のメニューバー、パンくずリストなどは、音声ブラウザの使用時にスキップできるよう<id>属性で読みとばし機能を設定する。あるいは透過gifに「alt="本文へ"」などとする。こうすると「本文へ」項目でEnterキーなどを押すとメニューなどをスキップして本文へ入るようにする。 全盲者は、次のようにいろいろの操作で読みとばしながら目的の箇所へたどりつく。

  • カーソルを連打して、項目をつまみ食いしながら進んでいく。
  • リンク項目をジャンプしていく。
  • 10行ジャンプやブロックスキップのコマンドをつかう。
  • 見出し項目のジャンプコマンドをつかう。
  • ページ内で文字検索をおこなう。

26. 更新期日:ページには更新期日を明記しているか。

 更新日の記載で情報の鮮度を明示することができ、また誤解を防ぐことができる。制作者側の備忘録にもなる。日付は「2006年10月17日」などと「年月日」入りで記述する。

27. 自動更新:ページの自動更新をしていないか。

 ページが自動的に更新されると、音声ブラウザ読みあげ時などには、再度最初から読まなければならなくなることがある。また更新を認識できないことがある。

  やむをえず更新する場合は、あらかじめ「このページは10分ごとに最新情報を更新します」などとそのことを告知しておく。ただし、URL変更の場合のリダイレクト(ページ転送)のためだけに用意されたページからの自動移動は許される。この場合には、自動移動未対応ブラウザに配慮して異動先URLを記載しておく。

28. 外国語:必要に応じて外国語ページも用意してあるか。

 必要な場合には、日本語以外の言語のページも用意し、基本情報やその他の情報を提供する。

29. ステータスバー:ステータスバーに情報を表示していないか。

 ステータスバーには次の理由で制作者側の作成した情報を表示しない。

  1. ステータスバーのURLなどの本来情報が参照できなくなる。
  2. ステータスバーの情報は気づかれないことが多い。
  3. 音声ブラウザによってはステータスバーの内容を読みあげない。

30. 工事中のページ:工事中のページは掲載していないか。

 ページのURLを変えると、ユーザーはリンクを貼っておいたりブックマークに登録しておいたページが削除されていると、目的のページにアクセスできない。ページはできるだけ移動、削除、リネームしない。

 移動、削除した場合は、「このページは下に移りました」「このページの最新情報は○○をごらんください」などと補足情報を入れておく。

31 . ページのURL:ページのURIは、ページを刷新しても、もとのままか。

 ページのURLを変えると、ユーザーはリンクを貼っておいたりブックマークに登録しておいたページが削除されていると、目的のページにアクセスできない。ページはできるだけ移動、削除、リネームしない。

  移動、削除した場合は、「このページは下に移りました」「このページの最新情報は○○をごらんください」などと補足情報を入れておく。

第3節-1 フォント、文字

32 . ゴシック体と明朝体:ゴシック体を使用しているか。印刷では明朝体になっているか。

  文字のフォントは、背幅が一定のゴシック系を使用し、アンチエイリアスをオフにする。画面拡大の場合、明朝体では線がギザギザとなる。

33. 行間:行間は相対指定にしてあるか。

 フォント(書体)関連の指定はCSSなどのスタイルシートで下の要領でおこなう。スタイルシートではフォントへの対応状況が安定している。こうすると効率的でメンテも楽である。ユーザースタイルシートでフォントを変更できる。

  1. 基準となる文字サイズは標準以上とする。
  2. フォントを指定するときは背景色も指定する。背景色を指定しないとブラウザのデフォルト色に変わってしまう。
  3. 行間(line-height)は、日本語で110から200%、英語で160から250% とする。
  4. 文字フォント(font-face)は指定せず、総称ファミリによる指定をおこなう。総称ファミリで指定すると、ユーザーのコンピュータにインストールされているフォントに最も近いフォントが選択される。overflow:hidden、position:absoluteは、使用しないことが望ましい。

34. フォントサイズ:フォントサイズは相対指定で、標準以上であるか。

 フォント(書体)関連の指定はCSSなどのスタイルシートで下の要領でおこなう。スタイルシートではフォントへの対応状況が安定している。こうすると効率的でメンテも楽である。ユーザースタイルシートでフォントを変更できる。

  1. 基準となる文字サイズは標準以上とする。
  2. フォントを指定するときは背景色も指定する。背景色を指定しないとブラウザのデフォルト色に変わってしまう。
  3. 行間(line-height)は、日本語で110から200%、英語で160から250% とする。
  4. 文字フォント(font-face)は指定せず、総称ファミリによる指定をおこなう。総称ファミリで指定すると、ユーザーのコンピュータにインストールされているフォントに最も近いフォントが選択される。overflow:hidden、position:absoluteは、使用しないことが望ましい。

35. 記号:記号、省略表記は読みあげに配慮してあるか。

 注釈記号に「*」「※」などは用いない。音声ブラウザでは意味不明となりがちなので「注1」などと記述する。絵文字(ASCIIアート)は文字や画像に置き換える。「○」「×」は「○(まる)」「×(ばつ)」のように記述する。あるいは、画像としalt属性で「まる」「ばつ」を指定する。

36. 機種依存文字:機種依存文字は使用していないか。

 「@、T、b、q、~」などの機種依存文字は使用しない。マッキントッシュでは、「@」は「(日)」に、「T」は「(特)」に変換されてしまう。別の文字に置き換えて表示するか、画像で表示する。半角カタカナは使用しない。「公務員U種」などの機種依存文字の使用は官庁に多く見られる。

37. 特殊な用語:特殊な用語を乱用していないか。

 特殊語、外国語、専門用語、省略語、職場用語、難語、固有名詞を乱用しない。辞書にない用語は音声ブラウザで正しく認識されないことが多い。

  1. 専門用語を最初に記述するときは、「WHO(世界保健機関)」などと解説をかっこ書きなどで記述する。
  2. 「New」「Top」「Contact」などの英語を乱用しない。
  3. 「TOP」などとすべて大文字にすると、「ティー、オー、ピー」と誤読されるおそれがある。
  4. 難読語を最初に記述するときは、「曲尺(かねじゃく)」などと解説をかっこ書きなどで記述する。ただし、この場合、音声ブラウザでは「曲尺」を誤読したりした後に続いて読み上げられる。XHTML1.1の場合は、<ruby>要素によってルビを振ることができるので問題ない。
  5. マウスを文字にポインタをあわせると、<title>属性値を表示するブラウザもあるので、<title>属性値にふりがなを挿入するのも一法である。
  6. 略語は<abbr>要素で指定すれば正式名称を表示することもできる。

38. 装飾文字:取消線などの装飾文字にはテキスト情報が付記してあるか。

 文字の装飾を使用している場合、音声ブラウザは装飾の有無を読みあげない。<s>要素、<strike>要素、<del>要素、text-decoration: line-throughなどの文字装飾を使用する場合、その意味をテキストでも併記する。取り消しを示す<s>要素、<strike>要素は、使用しない。

39. スペース:単語内スペースは使用していないか。

 音声ブラウザは、単語内にスペースや改行が入っていると、意図どおり読みあげない。「日 本」は「ひ ほん」と誤読されるおそれがある。行政サイドに多い。

40. 日付:日付は「2005年11月25日」などとし、「/」などの記号を用いていないか。

 音声ブラウザ用に次の点に配慮する。

  1. 日付表記の「/」は分数で読みあげるため、「月」や「日」の漢字を使用し、「2006年10月17日」などと記述する。
  2. 曜日は、「日」などと省略表記せず、「日曜日」とする。ただし「16日(日)」は許される。
  3. 「2006-10-17」でもよい。この場合には、デフォルトでYYYY-MM-DDとなり米国読みと英国読みの混乱がなくなる。
  4. 期間、範囲を示す場合は、「-」ではなく「〜」を使用する。

41. 数字の表記:価格などの数値は、半角文字で表記してあるか。

 数字は、ローマ字とともにすべて半角文字で表記する。(このやり方をはやくデファクトにしたいものです。)

第3節−2 文章、見出し、箇条書き

42. 見出し:見出しには見出し要素を用いているか。

 見出しタグは重要である。音声ブラウザでは、見出しタグはジャンプのためのランドマークである。見出しタグが適切に用いられているページは、快適なブラウズができる。見出し1、見出し2などで音声を変えたり、サウンドをならしたりする。

 見出しをフォントサイズや色などで代用すると混乱といらいらがおきる。見栄えは極力スタイルシートでおこなう。

 1ページに<h1>要素は1つとする。<h1>は、書籍では「章」、<h2>は「節」、<h3>は「小節」にあたる。

43. テキストの可読性:わかりやすい文章を提供しているか。

 ディスプレイのテキストは、閲覧範囲が狭く、読むのに時間がかかり、目が疲れやすく印刷物より可読性が低い。そのため原稿作成の段階からわかりやすさや表現に注意する必要があある。

  1. 情報量を印刷物よりも減らす。
  2. 1文をできるだけ短くする。
  3. 1文には1つの事柄のみを記す。
  4. 1パラグラフ(文のまとまり)は5行以内が読みやすい。
  5. 段落ごとに1行あける。字下げはしなくてもよい。
  6. 見出しを多めにつけ、ざっとながめれば意味がとれるようにする。
  7. 概要、結論をはじめにもってくる。
  8. 項目が3項目以上の場合には、箇条書きにする。
  9. 更新情報などは新しい情報を上にもってくる。
  10. ざっとながめるニュース、エンタメ(エンターテインメント)などのページは短く、エッセイ、マニュアルなどのテキスト主体のページは長くする。テキストのページが短すぎると、全体がとらえにくく印刷がかえって煩雑になる。
(メモ:この項目をさらに深く掘り下げる)

44. 途中改行:長い行では、途中改行がなされているか。

   下では1行が26字程度にしぼられています。

cf. もしもしQさんQさんよ

45. 1文1事:文章は1文1事になっているか。

 インターネットでは文の可読性が印刷物よりも低いため、ひとつの文には、ひとつのトピックだけを記すようにします。

46. パラグラフ:1パラグラフは10行以内か。

パラグラフのあとは1行あける。字下げはしなくてもよい。1パラグラフは10行以内におさえる。

47. 空白行:パラグラフのあとは、空白行になっているか。

 パラグラフ(文章の1つのまとまり)のあとは、見やすくするために空白行を入れる。

48. 字下げ:字下げはおこなっていないか。

 インターネットの文書では、パラグラフの始まりで字下げはおこなわず、パラグラフ間に空白行を入れます。

Wordで、字下げを避けるには次のようにします。

[ツールメニュー]―[オートコレクトのオプション]―[入力オートフォーマット]―[Tab…:チェックをはずす]

(この文書では、紙媒体へ移すことを予定しており、字下げをおこなっています。)

49. 情報量:情報量は印刷物よりも少なくしてあるか。

 ディスプレイのテキストは、読みにくく、目が疲れやすく、印刷物より可読性が低い。そのため情報量を少なくする。

50 . 3項目以上は箇条書き:3項目以上の場合、箇条書きになっているか。

 項目が3項目以上の場合には、箇条書きにする。

51 . 箇条書きとリスト要素:箇条書きにはリスト要素を用いているか。

 箇条書きには、<li>などのリスト要素を用いる。

3−4 リンク

52 . リンクテキストの下線:リンクテキストには下線がほどこされているか。

 リンクのあるテキストは、アンダーラインを消去しない。リンク箇所以外では、青色や下線を使わない。また本文の一部分だけの色やサイズを変更してあるとリンクと勘違いされるおそれがある。

 リンクのある画像は、枠をつけたり、影をつけたりするなどしてボタンに見えるようにする。写真のような画像のリンクや下線のないテキストリンクの場合、リンクの存在を見落とすことがあるので注意する。

53 . リンク先の内容:リンクはリンク先の内容がわかるように表現されているか。

 リンクテキストでリンク先を推測できない場合、とくに上肢障害者は必要なリンクを選択することが困難である。音声ブラウザにはリンク部分だけの読みあげ機能があるので、例えば「ここ」などと指示代名詞だけにリンクを付けた場合意味不明となる。

 「詳細はここをクリックしてください」ではなく、「詳細はここをクリックしてください」とする。「より詳細な説明は、クリックしてください」のようにリンク範囲を広げることも効果的である。画像文字やアイコンは、ボタンの機能を正しく推測できる内容にする。

54 . 別ウィンドウ:別ウィンドウに移動するときは事前に知らせているか。

 別ウィンドウには次のような問題がある。

  1. 別ウィンドウが開くと不慣れなユーザーは、新しいウィンドウが開いたことに気づかず、[戻る]ボタンが効かないために前のページに戻ることが困難になる場合がある。
  2. 解像度の低いディスプレイの使用者は画面がいくつも開くと閲覧のじゃまになる。
  3. 音声ブラウザでは自分の位置がわからなくなることがある。

 ただし、次の場合や新しくウィンドウを開いたほうが内容を参照しやすい場合は、この限りではない。

  1. 同一サイト以外のページ。
  2. ナビゲーションの充実したFlashコンテンツ。
  3. ヘルプなど同時に参照したい情報。
  4. 新しくウィンドウを開いたほうが、内容を参照しやすい場合。この場合は、リンク元で新しいウィンドウが開くことを、「ニュース(別ウィンドウ)」などと明示しておく。

55 . リンク先が画像:リンク先が画像のみの場合には、リンク元でその旨明示しているか。

 画像にリンクをつけた場合は、alt属性によりリンク先の内容がわかるような説明を付加する。画像の説明は副次的なものである。画像の内容を説明する必要がある場合は、「この画像は川越からの富士山です。2005年11月」などとテキストで記述する。リンクのある画像の場合、alt属性が指定されていないと、音声ブラウザは、リンク先のURLを読みあげてしまう。

56 . リンクテキストの位置:リンクテキストは本文中におかれていないか。

 本文中にリンクテキストを埋め込むと元の文章の閲覧と操作を断ち切ることになり好ましくない。またリンクを読みとばされるおそれがある。本文とは別に後方にリンクだけをまとめた方が視認性が高まる。

57 . リンクとクリック:リンク文字、リンク画像はクリックしやすいか。

 適度なリンク範囲を確保する。「リンク先A」ではなくて、「□リンク先A」などと文字列全体にリンクを設定する。隣接するリンクの間に「□リンク先A  |  □リンク先B」などと誤操作しないように充分な間隔を設け、リンクの間に縦線などを入れる。

 上肢障害者は微妙なマウス操作が困難である。テキストリンクが縦に並んでいる場合は、行間を適宜広く設定する。

58 . リンク途中の改行:リンク途中では改行はないか。

 リンクテキストは長すぎないようにする。リンクテキストは短くても1行に1項目とし、1行ずつ縦に並べる。音声ブラウザではリンク箇所のみを読みあげることもできる。 リンク途中で改行すると混乱を招く。

 下のように行の途中で改行すると、音声ブラウザでは「お申し込み」で一旦停止するので「問い合わせフォーム」は別リンクであるとの誤解を与える。

 

   内容について納得いただけましたら、お申し込み・   

   問い合わせフォームからお願いします。

59 . リンク切れ:リンク切れのメッセージはわかりやすいか。

 リンク切れなどのエラーメッセージには、状況を説明し、解決策を提示する。また「トップページへもどる」などのリンクを設ける。

60 . リンク集:リンク集が設けてあるか。

 リンク集があれば、必要な情報にすばやくアクセスできる蓋然性が高い。リンク集にはリンク数が充分にあり、項目の選定が適切である必要がある。

61 . ダウンロード:ダウンロード用のデータには、ファイルサイズ、ファイル形式を明示してあるか。

 データのダウンロードを指示する場合は、「○○製品カタログ(zip形式: 250KB)」などとファイル形式やファイルサイズを明記する。ファイル形式やファイルサイズの明示がないと、ユーザーはデータが自分のインターネット環境に応じたものかどうか判断できない。また所要時間の予測もつかない。ファイルサイズは100キロ以下なら明記しなくてもよい。

 アプレットやプラグインが必要なページでは入手方法を明記する。ダウンロードページへのロゴは広告と間違えられやすく、またクリックできることに気付かない場合があるので、テキストでの説明文をそえる。アプレットやプラグインのダウンロードにはひとつ前のバージョンを推薦する方が無難である。

3−5 表

62 . 表のタイトル:表にはわかりやすい表題をつけてあるか。

 表の上部に<caption>要素で表題を指定する。指定がないと、読みあげ中のテキストが表であることが認識できないことがある。<th>要素で項目の見出しであることを明示する。複雑な表には<summary>要素で要約や「列は商品、行は売り上げ」といった表の構成を記述する。

63 . 表と内容:表はテーブル要素の使用にしたがってマークアップしてあるか。

 音声では、表の内容を理解することが困難である。表の代わりにリストを使うことをまず検討する。
音声ブラウザは表を左上から右下に1セルずつ読みあげるので、行や列の関係がわかりにくくなる場合がある。次の点に注意する。

  1. 行や列の見出し項目名は、<th>要素を使って指定する。
  2. 表の入れ子やセルの結合を多用しない。
  3. セル数の多い大きな表は避ける。
  4. セルの結合は、必要最小限とする。
  5. 複雑な表には、scope属性、id属性、headers属性を使用する。
  6. 複雑な表には、テキストによる解説をつける。
  7. 数値を表示するときは、視覚的に煩雑にならない範囲で、各セルに単位を記述する。

64 . 表とレイアウト:表組みの要素をレイアウトのために使っていないか。

 表組みの要素をレイアウトのために使わない。(実は表をレイアウトに使うことが蔓延している。レイアウトテーブルには<th>要素がない。データテーブルには基本的に必要である)。

  レイアウトはXHTMLとスタイルシートでおこなうことが望ましい。表の要素や属性を使用する場合は、読みあげ順序を考慮する。とくに、表をフォームに使用する場合は、ラベルとコントロールが対で順番に読みあげられるようにする。ラベルとはコントロールに対応するテキスト名称である。コントロールとラベルはできるだけ近づける。8倍などの画面拡大ソフトではごくわずかな部分しか表示されないので、離れていると内容を理解しにくい。

 

3−6 フレーム

65 . フレームの使用:フレームの使用はなしか、最小限にしてあるか。

 フレームの使用は、次の理由でバリアになりやすく最小限にする。

  1. フレームページは、フレーム内の個々のページをブックマークできない。
  2. 検索エンジンでは、フレームの一部が検索結果に表示されることがある。
  3. 別のフレームを印刷してしまうなど印刷が不便である。
  4. 音声ブラウザでは、フレームを1つずつ選択して読みあげなければならず、ページ全体の内容を把握しにくく、使いにくい。
  5. 音声ブラウザでは、自分の位置が把握しづらい。
  6. コンテンツの面積が少なくなる。
  7. 文字サイズを拡大した場合、、メニューの文字などがナビゲーションのフレームからはみ出たりする。

 フレームを使用するメリットはほとんどない。一度印刷してみると、ページの一部のみ印刷されたりして、フレームの不便さがわかる。フレームはまた更新手続きが複雑である。外見はフレームに見えるが、フレームでないページも可能である。フレームがどうしても必要な場合には、<noframes>要素内に代替コンテンツを用意しておく。

66 . フレームのタイトル:すべてのフレームにはタイトルが付けてあるか。

 フレームに表示される各ページに、タイトルを指定する。<title>要素には、フレーム内でのページの役割(ヘッダー、メニュー、本文など)と内容を示す。

67 . フレームのスクロールバー:フレームのスクロールバーは表示されているか。

 文字サイズを大きくすると、文字がフレーム内に収まらない場合があるので、<frame>要素の<scrolling>属性は表示にしておく。<frame>要素の<frameborder>、<border>属性は消去せず、ユーザーが枠を任意に設定できるようにする。

3−7 フォーム

68 . 選択肢数の予告:フォームの項目には選択肢の数の予告があるか。

 選択肢が多いと、情報が一覧できない音声ブラウザでは、記憶にたよるためユーザーに高い負荷がかかる。ラジオボタンとチェックボックスは、音声ブラウザでは選択肢の数を読みあげないので、選択肢の数をあらかじめ表示しておく。これにより読み飛ばし操作が可能になる。ラジオボタン、チェックボックスでの選択肢の表示順序は、50音順などのユーザーが推測できる一定のルールを元に決定する。47都道府県から選択する場合は、キー入力の方が速い。年月日など、数字を選択するコントロールには、「1980年」など「年」などの単位も記述する。選択項目によっては、「不明」といったDK選択肢も用意する。

69 . フォームの入力項目:フォームの入力項目には文字種などの条件が的確に明記されているか。

  1. 入力フォームでは、入力前に入力に関する指示、説明、注意事項などを表示する。
  2. 住所の番地は全角で、電話番号は半角を求めるサイトが多い。初心者、障害者は半角文字、全角文字などの入力文字種をまちがえることが多い。英数字の場合、半角文字と全角文字は共に入力可能とするなど入力書式に自由度をもたせることが望ましい。
  3. 音声ブラウザでの読みあげを考慮し、文字色や記号だけで表現しない。
  4. 「ふりがな」「フリガナ」では、音声では識別できないので、「ひらがなで入力」「カタカナで入力」などと仮名の区別を明示する。
  5. 郵便番号を入力すると住所入力を補完するような仕組みを設けることも望ましい。

70 . フォームのラベルとコントロール:フォームのラベルとコントロールが関連されているか。

 ラベル(名称)とチェックボックスなどのコントロールを関連づけ、ラベルをクリックすればコントロールが選択されるようにする。Tabキーによる移動順序を設定する。また、コントロールが7件を超える場合は、<fieldset>要素を使って選択肢のコントロールをグルーピングし、<legend>要素でグループのタイトルをつける。ラベルをクリックしやすい適当な長さにする。

71 . フォームと前画面:作業中の入力フォームの前画面にはもどれるか。

 エラーが生じたとき、[戻る]ボタンなどで、前に表示した画面に戻れるように設定し、入力済みのデータを消去せずにそのまま表示する。

72 . フォームの確認:入力内容は送信前に確認修正できるか。

 送信前に入力内容の確認画面を表示するなどして送信者が確認できるようにする。入力エラー箇所を明確に示す。フォームの送信後に、「申し込みを確認しました」などの適切なフィードバックをおこなう。また受付確認のメールを送付する。電子メールや電話などの別の手段でも情報のやりとりができることが望ましい。

73 . フォームの時間制限:フォームの入力には時間制限を設けていないか。

 初心者、高齢者、障害者に配慮し、フォームの入力には時間制限は設けない。やむを得ない場合は、「30分以上アクセスしなかった場合自動的にログアウトします」などと時間制限があることを表示する。またセッションに経過時間や残り時間をページ内で表示し、ユーザー側で設定時間を延長できることが望ましい。

74 . フォームのボタンの位置:ボタンは入力操作の流れに沿った場所に配置されているか。

 音声ブラウザに配慮し、[実行]ボタンや[送信]ボタンは、音声ではわかりづらいのでフォームの最後に表示するなど、入力操作の流れに沿った場所に表示する。

75 . エラーの表示:エラーを色だけで表示していないか。

 フォームでエラーが発生したときは、赤字だけの表示では色覚障害者にはわからない。サイズを大きくしたり太字にしたりして、目立つようにする。元のページに戻らずにエラー項目のみ再入力すればよいように設計する。見た目のレイアウトとタブ順序が一致するように、<tabindex>要素でタブ順序を設定する。

76 . フォームへの入力操作:フォームへの入力操作は最小限にしてあるか。

 フォームへの入力操作は、障害者にはとくに負担が多く時間がかかるので最小限にする。コントロールは、適切な初期値をあらかじめ設定しておく。同じ情報は1回入力で可能なようにする。入力頻度が高い住所、郵便番号、名前、電話番号などは、形式を統一する。ハイフンの混乱がないように郵便番号は2つの入力フィールド、電話番号は3つの入力フィールドを用意する。フォームを使わずにメールでも通信が可能なようにしておく。 不必要な情報の収集は個人情報保護の観点からも避ける。年齢、生年月日、職業などの個人情報をもとめられると、敏感なユーザーは不安を覚える。これらの情報をとりたい場合は、フォーム入力後希望者だけにアンケート形式でたずねる。また、これらの個人情報は外部に漏らさないこと、他の目的に使わないことを明記する。

 

第4節 ビジュアル、音声:画像、動画、音声


4−1 ビジュアル化

77 . テキストとビジュアルデザイン:わかりにくいテキストには図、動画、音声が加えてあるか。

 初心者、外国人、認知症の人などにわかりにくいコンテンツは、図・動画・音声などを併設して、直感的具体的に内容を正しく把握できるようにする。

4−2 音声

78 . 音声とテキスト情報:音声情報にはテキスト情報も添えてあるか。

 音声データの内容を、テキストで記述、要約する。聴覚障害者、音の聞こえない環境のユーザーまたはスピーカーのないユーザーは、音声だけで提供された情報を把握できない。警告音の場合、警告をあらわすテキスト情報をあわせて表示する。

79. 音声と視覚情報:重要な音声情報には視覚情報も添えてあるか。

 音で情報を提示するときは、HTMLファイル内に同等の内容を表示する。ダイアログボックスのメッセージは読みあげやキーボード操作を可能にすることが望ましい。

80. 音声の自動再生:音声情報は自動的に音を再生していないか。

 音声情報が含まれるページでは、自動的に音が再生されないようにする。聴覚障害者は、音の再生を認識できない。音をださないでページを参照しているユーザーもいる。とくにトップページのBGMは使用しない。下位ページにその旨明記して流すのは許される。<bgsound>要素は使用しない。<embed>要素は、使用しないことが望ましい。音声ブラウザでは再生音と、音声ブラウザ音がまざってしまうからである。

81. 音声の調整:音声は調整できるようにしてあるか。

 音声の重要情報には、再生、停止、早送り、巻き戻しなどの調整をユーザー側に提供する。ただバナー広告や、ワンポイント的なGIFアニメーションには不要である。

4−3 画像

82. 色とグラフ:グラフなどの色には文字、パターンが加えてあるか。

 円グラフ、折れ線グラフなどで、色だけで領域を表現すると、障害者、高齢者さらにグレースケールのディスプレイのユーザーには色の違いが識別しにくい場合がある。また、白黒印刷した場合には健常者にも色の違いの把握が困難な場合がある。このような場合には引き出し線をつけ、領域の違いを表現する。また「下の赤ボタンをクリックしてください」など色名だけの表現は避け、「下の赤の中止ボタンをクリックしてください」と色名以外の表現を加える。 グラフやフローチャートを画像で表示すると、内容がわからない。グラフ元の表へのリンクやテキストでの詳細な説明が必要である。これは新たな作業を制作者に強いることになる。

83. 文字色とコントラスト:文字色と背景色にはコントラストがあるか。

 弱視者、高齢者は、明度差が小さいほど読みにくくなるので、文字色と背景色の輝度などのコントラストを確保する。高齢者は白と黄、青と黒の組み合わせの識別に困難な場合がある。緑の背景に赤の文字、黄色の背景に青い文字を読むのが困難な色覚障害者がいる。色覚障害には、赤の視感度が弱い第1色弱、緑の視感度が弱い第2色弱、青の視感度が弱い第3色弱がある。

全日本人男性の20人に1人は色覚障害をもつ。色の違いのみで表現されていないか、モノクロ印刷で鮮明かどうか。ブラウザのスタイルシートをはずして問題ないか確認する。

84. ボタンの説明:ボタンの説明は「右下の印刷ボタン」などと具体的か。

 形や位置のみでの表現は避ける。音声ブラウザや画面拡大ツールのユーザーは「右下のボタンをクリックしてください」だけでは、どのボタンか把握しにくい。この場合には「右下の印刷ボタン」などとし、ボタンにも「印刷」の名称をテキスト文で付記する。

85. ボタンと画像文字:ボタンには役割がわかるように「検索」などの画像文字が組み込んでるか。

 ボタンやラジオボタンなどを独自に挿入する場合は、操作方法が見ただけでわかるように「検索」などの画像文字(画像化した文字)を組み込む。

86. イメージマップ:イメージマップはクライアントサイドになっているか。

 イメージマップはクリッカブルマップともよばれ、都道府県地図のように画像の複数の箇所にリンクを設定したものである。サーバーサイドではなくクライアントサイドとする。

  画像全体に代替情報を示すと共に、ホットスポット(リンク領域)にもalt属性を指定する。さらに地図の脇に別途ハイパリンクテキストを設ける。
便利ではあるが次のような欠点がある。

  1. クリック元の領域がわかりにくい。
  2. リンク部分と非リンク部分の見分けがつきにくい。
  3. 画像サイズが大きいので負荷がかかる。
  4. 検索エンジンでは画像中の文字を検索しない。
  5. 画像表示をオフにしていると、リンクを選択できない。

 

87. 画像と代替情報:画像にはalt属性、代替情報がつけてあるか。 

 視覚障害者は、画像の代替情報がない場合、画像の内容を把握することができない。音声ブラウザは、画像(<img>要素)の代わりに、alt属性の内容を読みあげるので、画像にはalt属性で画像の内容を記述する。alt=”image13”といった意味不明の代替テキストは不適切である。検索エンジンではページインデックスを表示するとき、代替テキスト、画像キャプション、隣接のテキストを利用するので、代替テキストは重要である。画像には<img>要素、<area>要素、type="button"である<input>要素がある。

  内容理解に関係のない箇条書きのポインタなどの装飾画像や、テキストが併記されているボタン画像には、alt=""と空文字をいれる。重要でない画像の説明をわずらわしいと感じる者もいる。

  画像の代替情報にはalt属性、画像近くのテキスト情報、<img>要素の<longdesc>属性の3種ある。longdesc属性をサポートする音声ブラウザは、指定された画像URLの説明文書を「イメージの説明」という文字列から読みあげる。

88. 画像がリンク元:画像にリンクをつけた場合は、alt属性にリンク先の説明があるか。

 画像にリンクをつけた場合は、alt属性によりリンク先の内容がわかるような説明を付加する。画像の説明は副次的なものである。画像の内容を説明する必要がある場合は、「この画像は川越からの富士山です。2005年11月」などとテキストで記述する。リンクのある画像の場合、alt属性が指定されていないと、音声ブラウザは、リンク先のURLを読みあげてしまう。

89. 画像とテキスト情報:画像の重要情報にはテキスト情報が付記されているか。

 図表やグラフなどの画像の重要情報には、テキストで解説をおこなう。音声ブラウザのユーザーは、図表やグラフなどの画像の内容を詳細に把握することが困難であり、テキストの解説があれば理解しやすい。

90. 画像のサイズ:画像サイズは50キロ以下になっているか。

 画像サイズは50キロ以下を目安とする。
重い画像を複数用いる場合は、縦のいくつかの表にばらばらに入れる。こうすると、最初の画像は速く表示される。重い画像はあらかじめ、【サイズ:210キロ】などと表示しておく。

  ウェブページで画像を縮小表示してもファイルサイズは縮小されない。アルバムのように写真を一覧表示する場合には、サムネイルが有効である。サムネイルのリンク先はHTMLファイルにする。リンク先が画像では代替テキストをつけることができない。

91. 画像の背景:画像の背景には透過色を設定しないか。

 弱視者など画面を白黒反転させて表示している者には、画像内の文字や絵を把握することができない場合がある。画像文字の周囲は、透過色にせず、文字が見やすい背景色を使用する。背景色に透過色を指定する場合は、文字情報を縁取るなどする。

92. 画像文字:画像文字は見やすいか。

 無意味に文字を画像にすることは避け、スタイルシートで表現するようにする。画像文字は、ブラウザでサイズや色のコントラストを変更できず、コピーもできない。画像表示オフでは、何の情報も得られない。
やむを得ず、画像文字を使用するときは、文字のサイズは、13ピクセル以上とする。文字の斜体などの装飾は少なくする。文字の背景に画像や写真などを使用する時は、文字のまわりを縁取るなどし、文字を見やすくする。

4−4 動画

93. 画面の変化速度:画面の極端な変化、移動はないか。

 明滅、点滅や自動スクロールなどの変化を把握しにくい高齢者、認知症者もいる。画面を拡大している弱視者は、動くコンテンツを把握するのは困難であり、明滅領域が画面全体に及ぶこともある。画面変化をおこなうにあたっては、次のことに留意する。

  1. 光過敏性てんかんのあるユーザーは、画面の極端な変化により、発作を引き起こす可能性がある。
  2. 赤と青の点滅は発作を誘発しやすい。
  3. 自動スクロール、1秒間に2回以上の明滅、光量の急激な変化は避ける。
  4. 画面全体を占める、しま、渦巻き、同心円などの規則的なパターン模様、補色の配色も避ける。
  5. <blink>要素、<marquee>要素は使用しない。

94. 動画と音声、テキスト情報:動画には音声、テキスト情報が添えられているか。

 動画には、内容を説明する音声、テキストを提供する。SMIL(synchronized Multimedia integration language:スマイル)をもちいて音声は動画に同期することが望ましい。SMILはW3C策定の言語でオーディオ、ビデオ、テキストなどを同期して統合することができる。テキストは必ずしも動画と同期させる必要はない。動画には、字幕をつけることが望ましい。あるいは代替HTMLを用意することも検討する。

 

95. 動画の調整:動画は調整できるようなっているか。

 動画の重要情報には、再生、停止、早送り、巻き戻しなどのコントロールをユーザー側に提供する。ただバナー広告や、ワンポイント的なGIFアニメーションには不要である。

 

第5節 特殊技術:PDF、フラッシュ

96. PDFファイル:PDFファイルには代替html版の提供があるか。

 PDF(Portable Document Format)は音声ブラウザでは、順番が不同であったり、制限がかけられていたり、テキストが画像であったりするため読めないケースが多い。次の点に注意する。

  1. PDFファイルへのリンクはPDFであることを示し、容量が大きい場合は【PDF、250キロ】のように明示する。
  2. PDFファイルは支援ソフトをもっていないと表示されないので、閲覧ソフトの入手先リンクを提供する。
  3. コンテンツマネジメントシステムを導入するなどして、できるだけHTML/XHTMLベースでも情報が提供できるようにする。
  4. PDFファイル作成時には、アクセシビリティ機能を有効にしておき、不必要な制限はのぞいておく。
  5. テキスト取り出しを有効にするために、画像をスキャンしたものをPDFにはしない。

 なお欧文のPDFファイルがウェブ上にある場合、Adobeサイトで即座にHTMLに変換でき、また電子メールでも変換されて返信されるサービスがある。
PDFは次の理由で電子文書のデファクトフォーマットになりつつある。

  1. ユーザーのOSやアプリケーションを限定しない。
  2. 閲覧ソフトが無料である。
  3. 元文書と同じ形で表示、印刷できる。
  4. 電子署名などの保護機能が備わっている。
  5. しおりなどのナビゲーション機能が備わっている。

97. プラグインとアクセシビリティ:プラグイン、特定の技術はアクセシブルなものを用いているか。

 Flash、PDF、Javaアプレットなどのプラグイン、特定の技術には、次のような配慮が必要である。

  1. 見ないですむように「スキップ」リンクを設けておく。
  2. 文字サイズなどを拡大表示できること。
  3. 音声ブラウザなどで音声読みあげをおこなえること。
  4. キーボードなどマウス以外の入力装置で、すべての操作をおこなえること。
  5. プラグイン、特定の技術のアクセシビリティ機能を、最大限活用できるように作成しておくこと。
  6. ユーザーが最新のプラグインをインストールできるように配慮しておくこと。

 「スキップ」リンクがあると、ブロードバンドのユーザーでもスキップすることが多い。Flash版とHTML版を設けておくとユーザーはHTML版を選択しがちである。マルチメディアを乱用するのは考えものである。かといって、専用の代替テキストページを設けることは、更新をなおざりにしがちなので、最後の手段とする。

 

98. プラグインと代替手段:プラグイン、特定の技術には代替手段を提供しているか。

 プラグイン、特定の技術には代替手段を提供する。JavaScriptの場合は、<noscript>要素に代替情報を記述する。プラグインは、<object>要素区間に代替情報を記述する。プラグインを<embed>要素で指定する場合は<noembed>要素に代替情報を記述する。Javaアプレットでは、<applet>要素は使用しないことが望ましい。

99. プラグインと代替手段:ポップアップウィンドウを使用していないか。

 ポップアップメニューやポップアップウィンドウは極力避ける。ポップアップメニューはマウス操作が困難なユーザーには非常に使いづらい。また、広告などのポップアップをきらってJavaScriptをオフにしているユーザーも多い。HTML以外のスクリプトの使用は最低限にする。

100 . JavaScript:JavaScriptでは戻る機能は使用していないか。 

 JavaScriptで前のページに戻る設定にしている場合がある。しかし検索エンジンから入った場合、[戻る]ボタンを押すと検索結果のページに戻ってしまう。JavaScriptでは戻る機能は使用しない。 


【追】

ユーザーがウェブに求めるのは、「必要としている情報があって、さがしやすい」ことである。本稿では、次のことを制作者側に強調したい。

  1. 都道府県の入力などのように多くの選択肢がある入力フォームでは、直入力できるような手段も提供できるようにする。
  2. WebJISでは「Top」「Next」などの英語を日本語で提供するように勧めているが、国際化に逆行している。Yahoo!、Google、Excel、Wordにまでカタカナ表記が蔓延しかねない。「Top」をポイントすれば「トップ」と表示されるようにブラウザ側の属性などで解決されることをのぞむ。
  3. 現状ではフレームを使うサイトが激減していることは喜ばしいことである。
  4. 視覚障害者が望んでいることは複雑多岐にわたるわけではない。「見出しタグ」、「読みとばし機能」、「代替テキストつき画像」の3種である。これは晴眼者にとっても有益な機能である。
  5. 印刷物とオンライン画面には可読性に関して大きな違いがある。テキストの可読性に関して詳述した。今後のテキスト文のページづくりに参考になるはずである。
  6. 市町村のサイトは、閲覧、検索の便をはかるために統一規格を、せめて都道府県単位でも定めていただきたいものである。メニュー、検索窓、サイトマップ、アクセス地図などが同じ位置にあれば、ユーザーは市町村ごとに新しい操作を学ぶ手間を省くことができる。ウェブは官庁のコミュニケーションポータルであり、ウェブがバリアだらけでは、電子自治体の可能性を狭めてしまう。
  7. PDF、Flashはアクセシビリティ技術が格段に進歩してきている。
  8. 公共機関、半公共機関、ユニバーサルデザイン関連サイトほどJIS準拠が求められる。しかし、JIS X 8341-3はまだIT業界の人口に膾炙したとは言い難い。制作者側はユーザーが何を必要としているかを十分認識し、高齢者、障害者、初心者に使いやすいサイト構築を目指してほしい。
  9. 方言は外国語の1種と思われるが、方言の取り扱い規定がJIS X 8341-3にはない。今後の課題であろう。
  10. ウェブアクセシビリティは機械判定で可能な部分が多いが、情報の充実度と有用性などのユーザビリティに関しては、自治体、ニュース、ショッピング、音楽などなどといったカテゴリごとのユーザーテストが重要である。ウェブアクセシビリティがfor allとするならば、ウェブユーザビリティはfor everyoneであるからである。昨今はアクセシビリティに重点が置かれており技術偏重の傾向がある。技術よりも中身の方が大事で、ユーザビリティへの関心をさらに高めるべきである。(注9:ブライニク)
  11. ブログはテキスト主体なので意外にアクセシブルである。
  12. IBMのホームページビルダーなどのホームページ作成ソフトにはJIS規格に準拠してもらいたい。行政のページはホームページビルダーの使用が多いので、特にそれがいえる。Dreamweaver 8ではすでに可能なものも多い。以下に例をあげる。
    1. 新しいページの作成時には、タイトル名を記し忘れないようにタイトル欄を表示されたい。
    2. HTMLに画像を組み込んだら「ALT属性を指定してください」との警告を表示されたい。
    3. 文字を拡大したり太字にしたりする場合には、見出しの使用を暗示するような機能を付加されたい。
    4. 機種依存文字を使用する際には、警告を表示されたい。
    5. リストボタンをツールバーに表示されたい。現状では、見出しやリストをマークアップせずに、フォントや<b>要素を用いることを結果的に奨励している。
    6. 表の挿入時には、キャプションなどの必要事項をデフォルトで表示されたい。
    7. リキッドレイアウトをデフォルトにすべきである。
  13. 文字拡大、読みあげソフトのダウンロードについては、ダウンロードのスキルのない人が多いと心得るべきである。なるべくOS内蔵の機能の向上、または汎用性の高い易しいソフトの開発が望まれる。
  14. 企業側にはウェブアクセシビリティの高いウェブコンテンツは、企業のイメージアップに貢献することを認識してもらいたい。
  15. 音声は晴眼者にも有用である。音声ATMは識字率の低いインドなどで効力を発揮している。音声でうまく再生できるコンテンツは、検索エンジンとの親和性が高く、SEOも高まる。
  16. 聴覚障害者が使えるコンテンツは、サウンドオフの環境での健常者にも役立つ。
  17. 色覚障害者が使えるコンテンツは、グレースケールディスプレイでのユーザーにも役立つ。
  18. 表は音声読みあげにそぐわず、今後の課題である。ソフトウェアの改善が望まれるところである。
  19. 障害者のためにウェブアクセシビリティ、ウェブユーザビリティを確保するためには、就学、就労の機会も与える、人間の多様性を受け入れる社会システムをつくる必要がある。

 

 以上、総じてウェブコンテンツはアクセシブルになりつつあるとはいえ、なお制作者のウェブサイト側の努力と音声ブラウザ側の技術の進歩がさらに必要である。ウェブアクセシビリティの確保は社会の活性化につながるものである故、さらに一層の発展を望みたい。なお、2005年10月20日付けでJIS X8341-4が制定された。携帯電話、固定電話、FAXなどの電気通信機器に関して配慮すべき要件を規定したもので、ウェブアクセシビリティ確保への要請は一段と高まってきているといえよう。(注10:JIS X8341-4)